第2話 能力

(ここは、さっきの公園か。妙に静かだな?頭が少し痛い)ナデナデ

クシャクシャ

(ん?右手に何かあるな。これは、 紙?)

クシャクシャ


【このゲームのルール説明

このゲームは、かくれんぼ。 鬼に見つからないよう、上手に隠れてね。だけど一つ違っていて、見つかっても殺されなければセーフ

ゴールにたどり着ければゲーム終了。君の勝ち

そして君には 一つだけ能力を与えてあげる。◯◯それが、今回の能力だ】


(イタズラか? それにしては手が込んでいるな)

グォォォ

(何だこの声は?行ってみるか)

チラッ

(何だ?あの化け物は)

『鬼に見つからないよう、上手に隠れてね』

(あれが、鬼だとでも言うのか?)

(落ち着け。 もう一度観察してみよう)

ギョロ

グォォォ

(まずい、目が合ってしまった。逃げる?いや、無理だ。)

ダッダッタ

(もうダメだ 助からない)

「サンダァー」

グォォォ

(何だ、雷? いやそれより聞いたことのある声)

「遥斗そっちはまかせた。」

「分かった!お兄さん、舌噛まないようにね」

ブワッ

(何だこれ、速い。人間のスピードか?)

「俺だ!開けてくれ」

キーン ガガガガ

「大丈夫だった。って佐藤か?」

「・・・佐々木か?」

「何日ぶりだ。」

「何日って大袈裟だな。3日ぐらい前に会ったばっかりだろ?」

「何言ってるんだ?」

「いやだから、3日位前に一緒に学校で勉強しただろ。 確かに佐々木は一昨日休んでいたけれど、」

「いやいや、少なくとも此処に来てから5日はたっているぞ。」

「いつ誘拐された?」

「 数学の鈴木先生が、黒板消し落としに引っ掛かってぶちギレられた日の夜6時頃」

(やはり3日前。 こっちの1日が元居た世界だと、8時間ぐらいか?)

「遥斗くんだっけ?公園で会った子だよね。 此処に来て何日ぐらいたった?」

「うん、そうだよ。お昼の12時ぐらいに 変なお姉さんに話しかけられて、ここに来た。時間は大体3日位かな?」

(俺がこっちに来たのは、次の日の昼12時頃。)

「佐々木も変なやつに声かけられてここに来たのか?」

「あぁ、 姿を見てないが声や言動からして子供だと思ってた」

「何を話してた?」

「確か、『決めた。あなたで遊ぶ』って言ってた。」

タッタッタ

「大丈夫?遥斗」

「うん。大丈夫だよ桜」

「そちらの方は」

「前、公園会った佐藤さんだよ」

「こんにちは。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく」

「ハァハァ。鬼相手は疲れた」

「大丈夫?健斗」

「あぁ、少し回復お願い」

「うん。任せて」

「ホーリー」ポワポワ

「ありがとう。傷が治ったよ」

カチャ「君は少し無茶しすぎなんです。 あの時だって面白そうって言って、女の人の口車に乗せられて」

「うるさいな。葵だって興味持ってたじゃん」

「私は少し気になっただけです」

(あの時の4人 全員集合か)

「あそうだ、 一人一人 自己紹介するか。 俺は全員知り合いだが、 4人と佐藤はあまり面識ないだろ」

「そうですね」

「じゃあまず、言い出しっぺの俺から。名前は佐々木。 能力は、自分の知っているものを作り出す能力。 もちろん制限はあるがな。 空気中でのみ使えて、 大きさにもよるが何回か使ったらクールタイムが必要だ。 出した物は永続して保存できる。消すことも出来る。ちなみに、ここを作ったのは俺だ」

「次は私が。名前は葵。能力は、 自分の周りを調査する能力。 もちろん私の能力にも制限があって。 距離が短ければ短いほど正確に、逆に長ければ大雑把に。 君を見つけたのだって私の力だよ」

(なるほど通りで。私がここに来てから 助けに来るまで早いと思ったら、そういうことか)

「ありがとう葵くん」

「葵でいい」

「そうか」

「じゃあ次俺。名前は健斗。 能力は、 火、水、土、雷の4つを扱う能力だ。 まぁどれもこれも、鬼相手には一瞬怯む程度だがな」

「僕は、遥斗。能力は、瞬間的に速度を増減させる能力。ものすごく疲れるけれど、 自分の速さや近くにあるものの速度を変えることができるよ」

「次は私ね。名前は桜。能力は、回復する能力。 肉体も回復できて、精神も回復できるわ」

「最後は俺か。名前は佐藤。能力は、姿を隠す能力。 制限は、使ったことがないからわからない」



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