第8話 長老の判断
「ふむ、
「どうでしょうか?」
長老のもとにたどり着いたルアンナは早速事情を伝え、本題を切り出す。
長老は血気盛んなルアンナをたしなめるでもなく話を聞くと、腕を組んでしばらく思案にふけっていたが、
「確かに
森で発生する
個々の力は大したことはないが数多く発生することに悩まされていた人々だったが、ルーメ・ラースの調査によってそのことがもたらされ、広まることで多くの村で対抗策が取られるようになった。
古くから妖精よけとして吊るされていた蹄鉄などを活用し、それらを畑の四方に吊るすことで
はじめは不安げにしていたルアンナはその言葉を聞くと表情を輝かせ、反対にアクレイはあっけにとられる。
「じゃあ!」
「兵士長には儂から話をしておこう」
「やったぁ!」
「では今日の授業は、ちと実戦向きの内容にするかのう」
喜ぶルアンナと不安げなアクレイの顔を交互に見ながら長老はつぶやく。
翌日。
周囲でケルツの群れが確認されたため、村はいささか慌ただしくなっていた。
村人たちは日が昇るとともにケルツが苦手とする鉄でできた様々なものを引っ張り出し、村のあちこちに飾りだす。
アクレイたちも朝からそれの手伝いに回されたが、それも一段落した頃、二人は長老に呼び出され、足早に彼のもとを訪れていた。
「二人とも。兵士長からケルツの群れの一つを任せてもいいと言われたぞ」
「本当ですか?」
その言葉にルアンナは興奮気味に、アクレイは緊張気味に尋ねる。
「偵察の結果、いくつかの群れが確認されたそうだ。彼らは規模の大きな群れから片付けていくそうだが、規模が小さい群れなら二人でもなんとかできそうだと言われた。
武具は昔、儂が使っていたやつを貸そう。昼食を摂ったら村の詰め所に行きなさい、見張りの兵士が同行してくれるそうだ。だが、万一危険だと思ったら逃げなさい」
「はい!」
二人は面持ちを変えずにうなずく。
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