2XXY年4月3日

イタカと戦った。

今までの敵とは桁違いの強さだった。

風の化け物、風を生み出す幽鬼、そんな物と戦った気分だ。


先手はこちらの弓だった。死角から毒矢での先制。

弓と矢に仕掛けをしておいた。


風圧無視。


弓技能のスキルだ。

1度使えば30秒使えないスキルだ。


本来なら自動で弾く矢が当たって面を食らってたのには思わず笑みがこぼれた。


一射目の奇襲で相手に毒が入った。

デモニックスライムの毒液とイビルパイソンの毒液を混ぜた混合毒。

徐々にHPを減らし、相手の動きを鈍らせ、運が良ければ動きを止められる。


30秒毎にこれを打ち込むだけで倒せる可能性がある訳だが、イタカ相手なら多分矢が30本以上必要になる。

流石にコスパが悪いので近接戦闘を交えて戦った。


イタカの風はレベルが一定値より低いと飛ばされ、高いとこちらのステータスの敏捷が低下するようだ。


回避がし辛くなるが、回避技能と跳躍技能が活きた。

ローリング回避と言うスキルがある。無敵時間が生まれる。俺は回避のレベルが20とカンストしている為、相手の鉤爪に捕まれそうになる前に回避できる。

回避、切る、回避、突く、回避、叩く。

攻撃種類別の判定で切ると突くが普通に効く。ハンマーによる叩くが一番効かない、柔らかい物でも叩いたような感触だ。


後は魔法。

詠唱、回避、詠唱、回避、雷魔法。

結果はノーダメージ。

そりゃそうだ。

天候は雷を伴った雷雨。気温は凄い低い。いつ雪に変わってもおかしくない。


氷や雷、風の魔法は効かないと考えて良いだろう。


弱点属性は属性同士の関係はなくモンスター依存になるらしい。


属性武器は火属性と風属性武器がある。


火属性の剣で切り突けると大ダメージを与えられた。



切る、回避、切る、回避、切る、回避、射る、回避、切る切る切る切る切る切る切る。


円に五芒星を描くように切り、中心を突く。


剣技能レベル20のスキル、魔陣切り。

10回分のダメージが一撃で出る。属性武器の場合、追撃で属性ダメージが加算される。


しかし倒せなかった。


さらに強い風が巻き起こり、雪が降り始めた。周囲に雷が落ち始める。


イタカの回りの雪が氷の錐、つまり氷柱が何本も現れ雷を纏う。

それが飛んでくる。

凄まじい速度だった。


10数発の内、1発が直撃してしまった。

回避した先を狙って打ってきたのだ。かなり賢いAIだと感じた。否。変わったといって良いだろう。


高々10発中1発だが、一発が重すぎる。7割削り取られた。


HPを全快させる料理はいくらか作ってあったので助かった。

しかし連続して大量に食べられるわけではない。

片手剣とシールドに持ち替え、シールドで弾くことにした。


シールドはラバーシールド。

絶縁体でできたシールドだ。

戯れで作ったおもちゃみたいなものだと思っていた。

雷と氷と打撃の耐性極振り盾はゴムの木から作った実質ゴムの塊だ。


氷柱が飛んでくるタイミングでシールドで弾くと狙ったところに飛ばせた。


イタカに当ててもダメージはないだろうから、飛ばされる前の氷柱にぶつけて破壊する。残りを回避技能で回避すれば攻撃のチャンスが生まれた。


もう一度魔陣切りをイタカの胸に刻み込んだ。


イタカを倒せた。


手に入れた素材

風結晶

イタカの爪×3

イタカの赤き瞳

イタカの水掻き

イタカの嘴

イタカの魔氷×5

黄金の蜂蜜酒


イタカを倒した先に家が見えた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る