第6話 勇者登場
◇
ハローワーク(ギルド)での押し問答の末、また飲み直して早めに解散して翌日に備えようとしたのだけれど、今度はウィラとハッスルし過ぎて朝チュン……今日もハローワーク(ギルド)に行くのがダルい。
今日はもう一回戦と行きたいし、仕方ないので携帯端末のようなものでナギ姐とクソチビポメ柴の二人に連絡して、二人には先にチュートリアルダンジョンを攻略してもらっている間、ああ……ウィラ、君は最高に妖艶で美しいよ!
この妖艶さは、堕天使にならないと出せない色気そのものだね?
そういう訳で迎えた翌日、チュートリアルダンジョンの攻略を終えたナギ姐とクソチビポメ柴には、散々笑われてしまったものだけれど、細かいことは気にしない。
とりあえず、俺もウィラと一緒にハローワーク(ギルド)の職員のガイド付きで攻略しようとはしたんだ……見届けるはずのハローワーク(ギルド)の職員でもあるガイドさんが、AKMの跳弾によってまたしてもリスポーンするところを見届けるなんてね?
今日シフトに入っているグールさんの案内で、スタッフ用の通路からダンジョンを脱出したけれど、何故未だにチュートリアルすらクリア出来ないのか?
謎は深まるばかりなので、こういう時こそ頼れる助っ人を呼ぶしかないよね?
召喚魔法よろしく、便利な携帯端末のようなもので、今度はマブダチの勇者、アヤ・グリーンティを呼べば、すぐに転移魔法で飛んできてくれたのだ。
「まおー! 久しぶりなの! ウィラおねえちゃんも久しぶりなの!」
あの時幼女だった勇者グリーンティは、すっかり成長して美少女になっても相変わらず無邪気で元気一杯。
人懐こいワンちゃんのような仕草も相変わらずであり、それでいて仲間思いの彼女とは、かつて敵同士でもあったんだ。
あれはそうだな、ウィラと再会する前の話なんだけど、俺の居城に襲撃をかけてきた幼き日のグリーンティは、次々と仲間を倒されたことにより、自らの命と引き替えに、仲間の命を救ってほしいと名誉の降伏を申し出たことで、俺は感動してしまったんだ。
彼女の勇気を称えて武装解除後、丁重に持て成し、命がけで仲間を救った小さな英雄が、魔王の元で仲良く遊んで過ごした日々は、最高の思い出なのさ!
その時、名前の無かった彼女に対し、選ばれし勇者だけに最高のネーミングを授けたのだ。
アヤ・グリーンティ、選ばれたのは……ま、そういうことだ。
なお、この時はナギ姐も同席しており、彼女が小さき勇者に首ったけだったのは、また別のお話だ。
ところでグリーンティ、お前、チュートリアルは?
「もう10年前に終わらせたのー。まおー、ガイドさんを倒したら駄目なの! プロレスだったら反則なのー! ガッチャメラエーなの!」
ああ、そうだよな、やっぱり審判を倒したらノーゲームだもんな。
グリーンティのアドバイスを聞いたことで、今度はどのように攻略すればいいのか、色々と考えればどうにか算段がついたのであった。
ああ、私にいいアイデアがあるんだ───。
◇
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