後書きを消した話/読後は読者様のもの

 某所で「後書きなんて読みたくない!」的なエッセイを拝読しまして、ちょっと悩んだ結果、一つだけあった後書きを非公開にしました。


 思い入れがあるもの程書きたくなっちゃう、後書き。


 どうですかね?作者の自己満足かしら。作品の余韻を邪魔する様な気もする。

 私は後書きとか読むの結構好きなんですよね。でも読みたくない気持ちもちょっとわかる。


 うーん……後書きばっかり詰めたエッセイを作ってみようかな? と一瞬思いましたが、止めました。


 作品の解釈は読み手の財産であり、権利です。


 太宰治の「駆込み訴え」を読んで、

「なんて残酷な話だ!裏切り者のユダめ!」

と思う人も居るし、

「えっ最高にメリバなBLじゃん??  最高」

となる闇属性の腐女子も居ます。

 それで良いのではないか。

 作品は、一度作者の手を離れたら、その後の解釈は読み手の想像力や感受性に任せて然るべきだと私は思います。


 逆に、私は自分の書いた作品についてその意図を尋ねられて、それを説明するのって結構苦手……というか恥ずかしいです。

(ご感想とかは勿論最高に嬉しいですよ!)


 言うなれば、ノリで一発ギャグをかました後に「今のギャグどういう意味?」って言われると恥ずかしいじゃないですか。

 その時の気持ちとほぼ一緒です。


「えっとぉ……(分かりにくい所は次回改善する! 今回はお願いだからフィーリングで察してくれ……!)」


となります。(伝われ)

 読後は、できれば私からではなく作品から情報を汲み取って欲しい。


(どうしようもなく不条理な内容で突っ込まざるを得ない場合だったら……いや話逸れますね。やめときましょう)

(あえて批評されたい時は批評企画に参加したりしてますが、それは自分で選択して飛び込んでいるのでまた別の話)


 後書きと似たようなもの(?)で、読むのが嫌なものがあります。


「音楽誌のインタビュー」です。


 新譜が出ると、アーティストに「この曲はどんな気持ちで作ったんですか?」みたいなインタビューしますよね。

 アレを読みたくないのです。ロッキンオンジャパン(まだあるのかな……)あたりをほぼ毎月買っている友達からすると異様に思うそうです。


友「だって好きな人のインタビュー記事読みたくないの?」

私「読みたくない。雑談とかは読みたいけど、楽曲を聞いて何を感じるかは私の権利だから、そこはアーティストとの間にCD一枚分の距離が欲しい。だから新譜に関する記事は読まない」


 私、謎の強火!!

 なんて強情な女でございましょう。


 この気持ちに重ねると、やっぱり後書きは書かなくても良いかなって感じです。


 しかしながら、作品の神はやはり作者ですので、各々方が後書きを付けるかどうかは自由。実際問題、私は後書き読むの好きなので未だ悩ましい。


 皆さんどうですか?後書き。

 特に長編書いてると書きたくなる。

 今日は消してみたけど、これからももしかしたら書くかもしれない。


 悩ましいですが、やはり感想とか読後感、余韻は全て読者様にお渡ししたい。


 今のところは、そう思っております。

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