中嶋陽子だった
昨日、何となく質問企画に参加させていただいたのですが、質問の中に
「異世界でチートスキルを持てるならばどんなものが良いですか?」
的な質問があったのです。
私は所謂、極端なチートスキルがある異世界転生の作品は、基本的に読みません。
(長いタイトルで内容まで大体分かる昨今ですし)
チートスキルや現代の先進的な知識で何もかもが解決されてしまうような作品は特に苦手です。
感覚的には「キュン死系のラブコメはちょっと気恥ずかしくて苦手」や「スプラッタ映画が観れない」等と同じです。
ジャンルが苦手だというだけです。
作者様や作品そのものを否定する意図は無い事をご理解頂ければと思います。
私は読まない、好みでは無いという事です。
ちなみに私の夫は真逆で、異世界転生の無双アニメや異世界スローライフなどのアニメを片っ端から見る人です。
こればっかりは好みなんだよなと思いつつ、否定はせず耳に入る音声だけを聞き流しています。
何で苦手なんだろうなってずっと考えていたんです。
まず、思いついたのは私が「ジャンプ育ち」だからでした。
友情! 努力! 勝利!
主人公は才能はあれど元々そんなに強くは無くて、インフレしていく敵の戦闘力に抗う為死ぬ気で修行に身を投じ、あるいは戦略を立てて、強大な敵に抗う。
めちゃくちゃ好きだった封神演義から始まり、ONEPIECE、BLEACH、REBORN!、NARUTO、あとなんだろう。世代がバレる。まあでも王道のジャンプ漫画って大体そういうものです。
だから元々一番強いとか、元々知識や技術で他を圧倒していると、非常に退屈なものに感じてしまう。
私の感じる「退屈」を、夫は「爽快」と感じるから楽しめるんだと思います。
これはもう好みの問題です。
(ちなみにそれだけローファンタジーが好きな夫、何故か頑なにハリーポッターを観ません。何でだ。私はハリポタ大好きなのに。いやハリーはチーターでは無いんだけど)
しかしながら、私が感じる、最近流行りのチート系異世界転生に対する「なんか好きになれない」の原因はどうもそれだけでは無い。
んでね、最近はっと気がついたんです。
私の大好きな異世界転移作品が、あまりに色濃く、潜在意識に影を落としていたと気が付きました。
そうです。
十 二 国 記 で す 。
皆さん読みましたか十二国記。私は中学生〜高校生の時に齧り付く様に読みました。
主人公の中嶋陽子ちゃんは、ある日学校で金髪ロン毛の異国の服を着た美青年に連れられて、訳も分からず、なんの説明も無いまま異世界に降り立ちます。
陽子ちゃんを強引に連れて来たはずのイケメンは、着いてみると何故か一緒じゃありません。
そして、上巻丸々、それはもう酷い目に遭います。
親切な婦人に裏切られ人買いに売られ、よく分からん猿に夜な夜な罵られ、食べるものも満足に無く、殆ど誰も助けてくれない。
私の中の異世界転生(転移)は、血反吐を吐く様な困難を経て偽王に打ち勝ち、麒麟を救い出し、古びた玉座で「こんなものの為に大勢死んだ」と苦く笑う中嶋陽子なのです。
これに気がついて、もの凄くすっきりしました。
三つ子の魂百までという事です。
中島陽子だった。
ただ、それだけでした。
私は十二国記が大好きです。
宣伝というか質問企画に答えたやつ↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093077959315629/episodes/16818093078922634816
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