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でも、そんなことは全然怖くなかった。(本当だ)
むしろ、霰はうれしくなった。
今、自分は変な世界の中に迷い込んでいる。もし本当にそうだとしたら、あったときからずっと変な人だったあの東雲飾が、この自分の走っている道の先にいる可能性がすごく高くなると思ったからだった。
飾。あったら絶対に謝らせてやるんだからね。かってにいなくなってさ。すごく悲しかったんだよ。めちゃくちゃ泣いたんだからね。ぜったいに許さないよ。絶対に謝らせてやる。絶対に世界のどこにいても(あるいは、絶対にないとは思うけど、あなたが私のことをもし本当に大嫌いになったとして、そう思って私のまえから、いなくなっちゃったんだとしても)絶対につかまえてみせる。
絶対にみつけだしてあげるんだからね。(どうせどこかで隠れてないているんでしょ?)
黒猫はひさしぶりに道を曲がった。
霰も少し遅れて道を曲がる。
それから霰は黒猫がどこに向かっているのか、だんだんとわかってきた気がした。
猫ちゃん。もしかして、神社に向かってるの?
黒猫の走っている方向には東雲神社があった。ほかの場所かもしれないけれど、霰は黒猫はきっと東雲神社に私を連れて行こうとしているのだと思った。
神社にはなにもなかったし、飾もいなかった。
もしかして、今、飾は神社に帰ってきているのだろうか? もしかしたら本当に突然の旅行のような用事があって神社からいなくなってしまっただけなのだろうか?
でも、もしそうなら手紙をかいてほしいと思った。(幽霊の飾はスマートフォンをもっていなかった。電話番号もメールアドレスももちろんなかった)あるいは、いなくなる前に一言言ってほしかった。(それが言えない決まりが幽霊にはあるのかもしれないけど)
霰はいろいろと後悔をした。遊んでばかりいないでもっと幽霊について詳しく聞いておけばよかった。(だって、飾と遊ぶのが本当に楽しかったんだからしょうがないんだけど)
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