2000年・名古屋中学生5000万円恐喝事件~地獄のカツアゲ食物連鎖~

44年の童貞地獄

第1話 極悪中学校

どこの中学校にも一定数の問題行動を起こす生徒がいる。


90年代後半、生徒数が千人を超える名古屋市内随一のマンモス校だった愛知県名古屋市緑区徳重にある名古屋市立扇台中学校も例外ではない。

生徒数が多いぶんそういった不良生徒も多く、その比率も高めだった。


彼らは学校の外でバイク窃盗や無免許運転、万引き、他校生とのケンカあるいは恐喝に手を染めており、当然学校内でも大人しくしていない。

お約束の校内での喫煙も堂々行われ、目をつけた生徒に因縁をつけては暴行して恐喝したりのやりたい放題。

誰がやられるか不良たちの気分次第だったから、この当時の扇台中学校の校内は名古屋屈指の危険地帯だったと言っても過言ではない状態ですらあった。

最悪の教育環境である。


こんな有様で一番たまらないのは同中学校に通わなきゃならない一般の真面目な生徒だ。

単体でもヤバい存在の不良が何人もつるんでいるグループは事実上のマフィアそのもので、そんなのに目をつけられたらアウトだ。

学校に行くたびに餌食にされる。

何もしていないのにわけの分からん言いがかりをつけてきて殴られるわ蹴られるわ、草を食べさせられ、金も脅し取られるのだ。


肝心の教師たちは守ってくれない。

無力、というか怠慢で形ばかりの注意しかしない。

被害にあった生徒が相談しても「勘違いだ」だの「相手にするな」だの無神経な寝言を吐いて、真面目な生徒が餌食にされているのに見捨てる始末だ。

そのくせ真面目な生徒がちょっと間違ったことをしたら徹底的にシメるんだから、一般の生徒たちからは「ヤンキー生徒には何もしないくせに」と不信感を持たれてもいた。


そんな教師が多かったからだろう。

1999年、校内で我が物顔にふるまっていたグループにより同校の生徒指導の無能ぶりが日本全国で有名になるような事件が起こることになる。


それは些細なことで始まった。

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