禁断のライセンス
森本 晃次
第1話 医薬品開発プロジェクト
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和5年4月時点のものです。いつものことですが、似たような事件があっても、それはあくまでも、フィクションでしかありません、ただ、フィクションに対しての意見は、国民の総意に近いと思っています。このお話は、真実っぽい過去の話はあっても、あくまでも、登場する国家、政府、関係者、組織は架空のお話になります。国家や省庁で、どこかで聞いたようなところも出てきますが、あくまでもフィクションです。
ある医薬品を開発するというプロジェクトが、新たに組まれることになった。
政府の厚生労働省が本来であれば、発注し、そこから下請けに回っていくのだろうが、どうも今回は、少し違うようだ。
ハッキリと。厚生労働省が関わっているというわけではないようで、どちらかというと、
諸外国からの圧力が強く、政府上層部だけしか知らないプロジェクトのようで、
「ウワサは流れてくるのに、上にいくほど、その情報が錯そうしている」
ということであった。
もちろん、下でもカオスなのだが、
「医薬品開発プロジェクトの元締めが、どこなのか?」
ということが分からないのだった。
普通だったら、厚生労働省関係のところが、暗躍しているのだろうが、
「何かの医薬品を開発している」
というウワサがあるということで、ある新聞社の、諜報活動部隊が探っていたようだが、
「相手が警戒しているのか、それとも、実際にハッキリしていないのか、情報が錯そうするばかりだ」
ということであった。
実際に、医薬品の開発に詳しい専門家に聞いたが、その人は、
「オフレコでお願いします」
ということを条件に、
「これは、由々しきことですよ。昔のプロジェクトというものをどこか似ているとすれば、まさかと思いますが、731部隊のようなものが暗躍しているのかもしれないですよ」
というのであった。
今の人には、
「7311部隊」
という話をしても難しいだろう。
この部隊は、大日本帝国が、満州地域においての利権と、安全保障の上での、満州地域の安定。
さらに、日本国内においての、人口問題と、それらの問題を一挙に解決させる方法として取られた、
「満州鉄道爆破事件」
というものを、
「日本の自演」
と言われているが、それをきっかけにして、軍事行動に移った日本軍が、電光石火にて、軍事作戦を鮮やかに成功させたと言われる、
「満州事変」
において、最終的には、満州国というものを、満州民族の末裔であり、清国最後の皇帝であった
「愛新覚羅溥儀」
を擁立することで、
「大日本帝国の傀儡国家」
と呼ばれる、
「満州国」
成立したのだった。
当時の日本は、人口の急激な増加。さらに、世界的な不況の煽りでの、
「昭和恐慌」
が巻き起こり、さらには、東北地方の凶作も重なったりして、
「重大な食糧問題」
に、発展してしまったのだ。
そのため、日本では、
「娘を売りに出さないと、家族が餓死する」
というほどの状態になり、政治不信などもあって、満蒙の国境問題、中国との関係などを考えると、
「軍事行動を起こし、満州に大きな検疫を造り、移住民を確保することで、内外ともに、問題を一挙に解決させる」
ということになるのだった。
そんな満州事変において大きな問題は、
「スピード」
であった。
早く既成事実を作り上げ、屋内の政府に、事後追認をさせるくらいでないと、難しい。
「最初に立てた計画のとおり、うまくいかなければ、すべてが瓦解する」
と言ってもいいだろう。
そのことを考えると、
「満州事変」
というものは、戦術的には、大いなる成功だったといえるだろう。
ただ、
「他に方法はなかったのか?」
ということも言える。
この時、暴走してしまったことが、そののちの、いわゆる、
「軍の暴走」
という形に繋がってしまって、大日本帝国憲法による、軍、政府、国民という流れが、不透明な形になってしまっているといってもいいだろう。
大日本帝国憲法では、あくまでも軍というものは、
「天皇直轄の統帥権」
というものに守られていて、
「軍は天皇直轄であるということで、政府とは、一線を画した存在で、
「軍の作戦は、政府の意向に関係なく、独断先行ができるというもので、統帥権を干犯することは、天皇に逆らっているということと同じだ」
ということになるのだ。
満州事変というと、
「国際連盟脱退」
などの、日本の孤立化を招くことになる。
と言われるが、当時の満州において、中国側が、
「満州鉄道に対して平行に、自分たちの鉄道を造り、日本の権益を脅かしたり」
あるいは、
「日本国民に土地を売ったり、貸したりすれば、死刑と言われるような法律を作ったり」
というようなことをされたことで、満州での権益は、どんどん狭まれて行った。
中国側からの、執拗な日本に対する嫌がらせとしての、
「婦女暴行や、暗殺事件など」
という問題があることからも、関東軍としては、
「放ってはおけない由々しき問題」
だったのである。
特に、人口問題は切実な問題で、特に、国内における問題解決ができていないといけない状態で、
「どこかに、侵略しなければいけない状態だった」
と言ってもいいだろう。
そもそも、当時の世界情勢、特にアジア諸国は、タイ以外の東南アジアは、必ずヨーロッパのどこかの国の植民地となっていて。日本国はっ植民地になっていないだけで、満州や朝鮮などの地域に、権益を持っているくらいであった。
途中から、朝鮮は日本に併合されることになるのだが、それも、イギリスや某国などの大国との、
「密約」
によって、認められたようなものだった。
というのも、
「某国のフィリピン支配。イギリスのインド支配を認めるからに、日本の、朝鮮半島支配と認める」
ということであった。
しかし、途中から朝鮮は、
「日課併合」
と言われ、完全に日本国であるかのようになったのだった。
だから、朝鮮人も日本人と同じような発想で、満州での差別の中には、
「朝鮮人を含む日本人」
を差別するということになるのだった。
朝鮮というところは、満州も同じであるが、
「ロシアの南下政策」
の抑えとして、
「安全保障」
という問題から、朝鮮と満州は死守する必要があった。
そもそも、日露戦争の勝利にて獲得した満州鉄道の権益を、中国に邪魔されるのだから、特に、日本国内でも、不況で混乱している時、
「果たして、どのように対応すればいいか?」
と考えると、あのような、
「軍事行動」
が必要不可欠だったのだろう。
中国は、国際連盟に提訴し、リットン調査団が満州を訪れ、
「あれは、日本の自作自演」
と言ったものだから、日本は、孤立し、国際連盟の脱退を余儀なくされた。
そもそも、満州においても、日本の権益は、某国、イギリスからは、ある程度は承認されていたことだろう。
日本に、自分たちのアジアでの権益(フィリピンやインドなどの)を保証してもらえるし、中国側をけん制することもできるというものだ。
中国という国は、ヨーロッパに食い物にされているが、独立国家として成立はしているが、
「中国国民党、共産党、北軍閥」
などといった勢力が内戦状態であった。
日本という国の立場もややこしいところで、旧清国の、負債などをいかに中華民国が取り扱うかということも問題だったのだ。
そこから、日本と中国の緊張が高まり、その後の戦争に突入していく。それは、
「満州事変」
を引き起こした張本人である、
「石原莞爾」
の思ってもいなかったシナリオだったことから、話がややこしくなっていくのだった。
石原莞爾という人は、参謀本部よりやってきた人で、彼の中にある、
「日蓮宗」
への信仰と、さらに、
「世界最終戦争論」
という考え方に基づいた作戦だったのだ。
彼の中では、
「世界は、まず各地域で戦争や紛争が起こり、その地域ごとの代表となった国が、最終的に一騎打ちを行う」
というものだった。
「ヨーロッパは国が乱れ、ユーラシアは、ソ連の内戦が起こったり、粛清があったりして、体力がない」
と分析し、
「そうなると、決戦は、日本と某国の二大国による未曽有の大戦争が起こり、その勝者によって、世界の新秩序が築かれ、世界平和が訪れる」
ということであった。
つまり、日本においては、まず、
「アジアの代表」
となるべく必要があり、そんな時に、
「中国に侵略をしている場合ではない」
ということで、
「満州国」
というものを、しっかりと日本の傀儡国家とし、
「日満蒙朝漢」
による、
「五族共存」
を唱える必要があるというのだ。
そういう意味では、大東亜戦争が始まった時の、その理由としたことは、ある意味、石原莞爾の望むところだったのかも知れない。
「アジアを、欧米列強から解放し、東アジアに、協力国を打ち立てるという意味での、大東亜共栄圏というものを建設するのが目的だ」
という、
「大義名分」
としては、十分なものだったといえるのではないだろうか?
そんなことを考えていると、
ただ、問題は、
「日本が孤立してしまっていて、欧米列強の大きな国をすべて敵に回してしまっている」
ということであった。
本来なら、某国という超大国に、
「1対1」
の決戦を挑まなければいけないのに。気が付けば、周りは、
「イギリス」
「某国」
「中国」
「オランダ」
と敵だらけだった。
「最初の一撃で相手の戦意を喪失し、そこから一気に有利な状況に持ち込んで、第三国の仲介で、和解する」
というのが、本当のシナリオなのに、
「仲介してくれる第三国」
がどこにあるというのか、ヨーロッパを席巻しているドイツと同盟を結んでいるだけでも、敵対するのに、それどころではない状態で、日本がお願いできるわけもない。
そういう意味でも、
「世界から孤立するということが、どういうことになるのか?」
ということを本当に分かっているというのだろうか?
それが大きな問題だったのだ。
石原莞爾の目論見は、まったくもって外れたのであった。
医薬品を開発する部署、機関が組み込まれることは、本当は、水面下にて、
「国家の最重要機密」
だったはず。
それなのに、さすが日本の国家体制、いわゆる
「ザル」
だったのだ。
「某国の属国」
というのは、本当のことだろう。しょせんは、すべてが丸わかりということだ。
いや、
「属国の方がましなのかも知れない」
属国と公表されていれば、属国としての、
「権利」
というのも得られる。
属国並みの義務だけ負わされて、結局、権利はないわけなので、それだったら、最初から属国という方が、マシである。
属国なら、守ってくれるが、属国でなければ、他の国から攻められても、守ってくれるという保証はない。何しろ、属国ではないのだから。
我が国における医薬品は、医薬品メーカーに対して、政府が依頼をすることもあるが、国営というものはない。
今まで国営とされていたものは、今では皆無に等しい。
「何となく国営っぽいのはあるが、本当に国営なのか?」
というところであり、ある意味、曖昧なところだといえるだろう。
「民主国家というのは、民間にあまり口を出さない」
そういう意味での国営というのはないのだが、水面下で、国が支援しているところもあるのではないだろうか?
「国が支援?」
そう、国が支援しているということは、国家予算から賄われているということ。
「じゃあ、国家予算は?」
といえば、そう、我々の収めた税金である。
少なくとも、明白になったうえで、公表されたものでなければならないのに、曖昧な組織が、曖昧な使い方をするというのは、本当であれば許されないのだろうが、それが行われているというのが、悲しいかな我が国なのかも知れない。
医薬品に関しては、結構厳しいのが当たり前で、政府と言えども簡単には、手を付けられない。
しかし、政府に匹敵するような何かが暗躍しているとすれば、それもありえることだ。
さて、前述の、満州事変後に起こった、大陸侵攻、さらに、のちの、
「欧米列強への宣戦布告」
などということに繋がる際に、日本軍が密かに作ったのが、
「731部隊だ」
と言われる。
証拠はないので、何とも言えないが、今のこの小説に登場する、架空国家は、設定としては、その
「731部隊」
の生き残りと呼ばれる人たちが密かに作った国家に。某超大国が支援をし、大きくなっていった国ということになる。
だから、属国なのだが、表だって、属国だということはできない。なぜなら、
「731部隊というのは、作り話だ」
ということにしておく方が、都合がいいからだ。
元々、そんな国家だったので、建国に際しても、細心の注意とタイミングの見計らいがあっただろう。
国民はというと、当時の日本人、さらには、朝鮮人など、満州で取り残された人が、密かに保護され、建国した国で、平和に暮らせていたということだ。
そうでもしないと、建国した際に、
「怪しい」
と言って疑われるからだ。
建国の時期としても、さきの大戦終了後の、
「東南アジアやアフリカ諸国の、宗主国からの独立運動」
というものが、激化していて、毎年のように、独立が行われてるところに、一つの国が、どさくさに紛れて建国しても、大きな問題にはならないだろう。
しかも、タイミング的には、
「イスラエル建国」
に合わせた形になったが、それも、某大国が、
「イスラエル建国」
というものに、大きな影響を持っていたからだといえるだろう。
そもそも、昔から、薬物を取引に使ったり、政治利用をすると、ロクなことはない。
何といっても、イギリス医おける、アヘン戦争など、いい例ではないか?
だから、開国前夜の日本は、大変だった。
国内にいて、
「攘夷論」
などを唱えている連中がどれだけ世界情勢を分かっていたのか分からないが、海外の事情を知っている人には、
「欧米列強の脅威」
は感じられていただろう。
特に、
「アヘン戦争」
を知っている人にとっては、
「日本もアヘン中毒にされ、植民地にされてしまう」
と思うと、恐ろしかったに違いない。
だから、
「幕府を倒して、天皇中心の統一国家」
という、
「尊王倒幕論」
が出てくることになるのだった。
新政府になってからの日本は、まず、
「不平等条約の撤廃」
というのを目指し、近代化を推し進める。
多少、強引だったので、荒れに荒れたが、何とか、国家の体制を、
「富国強兵策」
あるいは、
「殖産興業策」
によって、国を富ませて、兵を強くし、強固な近代国家を作り上げるということで、欧米列強に、
「追いつけ追い越せ」
ということだったのだ。
実際に欧米列強に対して、
「憲法の公布」
あるいは、
「議会政治の確立」
ができるようになったことで、大きな一歩を示すことができ、日露戦争後くらいに、日本は、一気に、大国の仲間入りを果たすことになるのだ。
そんな時に作られた、
「731部隊」
これは、完全な国家秘密であり、公表できるものではなかった。
だから、どこまでが本当か分からないが、映画が作られたりして、それくらいまでは本当なのだろう。
放映できるギリギリの内容だったのかも知れない。
それを思うと、想像以上のものだったことは、想像がつくというものだ。
そんな、
「731部隊」
の残党がどうなったのか?
ということは、いろいろウワサされたりしたものだった。
「日本赤軍に関与している」
という話や、
「某国が、戦犯と引き換えに、情報を渡すという密約があった」
という話などがあった。
しかし、事実としては、731部隊の幹部だったと言われる人が帰国して、
「日本血液銀行」
のようなものを造り、その派生型の薬品会社に影響を及ぼしていたというのは、有名な話であった。
だが、それ以外の人々がどうなったのか、ハッキリとしない。帰国した人もいるだろうが、某国に連れていかれて、研究に勤しんでいる人も少なくないだろう。
彼らの、生物兵器であったり、毒ガスなどの化学兵器の知識と、その実験のノウハウは、当時の、
「東西冷戦」
には不可欠なものだったに違いないからだ。
そこで浮上してきたのが、
「今まで、某国の属国と呼ばれては来たが、微妙にその立場が、属国としての保護を受けていないということで、曖昧なところだったその国」
への亡命説だったのだ。
さすがに、注目を浴びることはできないので、独立国家という立場にしておいて、
「国が発展してくると、少しでも某国の属国」
という風に見られる方が、某国の方にとって都合がいいということもあり、属国としての曖昧な立場で君臨していた。
実はそんな国は少なくなかったりする。実際に、
「そんな名前の国あったのか?」
というものであったり、
「あれ? これどっかの国の一部かと思っていた」
と言いながら、本当は、
「属国もどき」
だということになる。
そんな国家体制ができてくると、
「遅れてきた先進国」
という言葉がスローガンであるように、目標は、
「先進国」
としての歩みだった。
最初こそ、
「まだまだこれからの国家だ」
ということで、低い姿勢だったが、次第に、発言力を増してくる。
というのは、そのバックに、某国が見え隠れしてきたからだ。
某国の存在が分かってくると、国家がいかに体制を築いていくかということが分かってくる。
そして、某国の国家体制と同じ体制を築いていくにしたがって、新興国というのは、準属国という様相を呈してくるのだった。
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