3-(2/7)パンダ処刑か、灰詰めか


 参加者、十五名。

 茶髪のモデル、チンピラ→人間か狼か不明。

 中年の会社員→処刑からの解析結果アナライズ・リザルト、人間と判明。


 二日目、警備セキュリティの護衛成功により総数は十二名。

 政治家の鴨山カモヤマが処刑され、解析アナライズが襲撃を受けたことから鴨山カモヤマの〝色〟は不明。


 三日目、争点はパンダの処遇。

 関西カンサイ調査結果サーチ・リザルト半田ハンダオオカミ白戸シロトニンゲン

 軽曽根カルソネ調査結果サーチ・リザルト半田ハンダニンゲン白戸シロトニンゲン

 現在の参加者は十名、⑩→⑧→⑥→④で処刑回数は四回。


「死んじゃった〝解析アナライズ〟みたいな〝進行〟がいないとさぁ、意見まとまらなくて全員困るじゃん。関西カンサイのお兄ちゃんが狼なら、しかも結果を後出しするなら確定白とか作らないと思うけどぉ?」


 管木スガキの主張は誰もがうなずく内容だった。

 もっと言うと、関西カンサイが狼なら〝仲間〟の狼に白通知を飛ばすことで処刑リスクを下げるようにも思える。


「なあ、分かるやろ? オレが真の調査サーチやで、決め打てや!」

「ごめん半田ハンダっち、あーし……かばえないかも」


「知らねえぞ、僕を処刑して後悔しても! 大体、僕を処刑するなら解析アナライズが生きてるうちに殺せばよかったんだ!」

「せ、拙者せっしゃはどうすれば……」


 勢い付く関西カンサイ、部が悪く消沈する軽曽根カルソネたけ半田ハンダ、困惑する白戸シロト

 

 その時、御劔ミツルギが手を挙げた。


「私は、半田ハンダの処刑に反対だ。彼の言葉は真に迫るものを感じる。それに、殺すなら昨日殺せという発言は半田ハンダ解析結果アナライズ・リザルトが人間判定として通知されるのを確信してのことだろう?」

「そうだよ! 昨日のうちに僕を処刑したら、解析結果アナライズ・リザルトで白が出るんだから関西カンサイ破綻はたんだ! でも今となっちゃ誰も僕の色を証明できない、無駄死にじゃないか!」

「僕も御劔ミツルギの言うとおり半田ハンダを飼ったまま、今日一日だけはグレーめて明日調査サーチを決め打つ流れでもいいと思う。でも、それをするにも関西カンサイ半田ハンダきたいことがある」


 関西カンサイの主張は〝真〟の調査サーチに見える。

 しかし、半田ハンダの言葉もまた〝人間目線〟に感じる。

 ただ実際問題として解析アナライズが襲撃されてる以上、どうとでも言えてしまう。

 僕も彼ら二人に、質問をしてみよう。


関西カンサイ、お前の目線で半田ハンダ軽曽根カルソネ以外……三人目の狼は誰を予想している? 半田ハンダは、今日は誰を処刑したい?」


「ラスいち? まず初日と二日目の茶髪の姉ちゃんか鴨山カモヤマのおっちゃんが狼やったら、パンダ野郎とそこのギャル殺してそれでしまいや。まだ三狼さんろうおったら、パンダをかばいだした御劔ミツルギが怪しいとオレは思うで?」

「ぼ、僕が処刑したい奴なんて関西カンサイの他にいるわけないじゃないか! 僕は関西カンサイに投票する、負けたくない人間陣営は僕についてこい!」


 関西カンサイ半田ハンダのどちらかは人間、どちらかは狼。

 その内訳はさておき、半田ハンダが選んでしまった立ち回りは明確な悪手である。


 彼は、グレーの中から処刑希望を出すべきだった。

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