第2話 モーニングノート

 資格の勉強をしていると、勉強の効率が気になるときがある。

色々と調べてみて、モーニングノートという習慣を見つけた。


 モーニングノートとは、朝起きてすぐに、思いついた事をノート3枚分書きだす、という作業のことだった。


 翌日になって、モーニングノートを実践してみた。ノート3枚分は、ハードルが高すぎる、と思っていたのだが、意外とそうでもなかった。


 はじめに体の感覚について書き出してみた。たとえば、「まだ眠くてあくびが出た」とか、「まぶたが重い」とか、「トイレに行きたい」とかである。


 しばらくすると感覚ネタがなくなってきたので、次に何を書こうかと考え出したのだが、その瞬間、気づいてしまったのである。

「今、次に何を書こうか、と考えた」ということを書き出さなければならないということに。

 

 このことに気づいてしまうと、鉛筆が止まらない。むしろ加速した。加速すると、考えているスピードに鉛筆が追いつかなくなってしまって、漢字を間違えることが増えてきた。


 そうすると、次は「漢字を間違えてしまい、訂正しようと思った」ということを書き出さなければならないし、「『漢字を間違えてしまい、訂正しようと思った』ということを書き出さなければならない」と思ったということも書き出さなければならない。


 書き出さなければならないことがどんどん増えていく。気づけば50分間書き続けていた。右手だけ50分も動かし続けていたから、肩こりも少しほぐれた。


 勉強の効率が良くなったとは思わなかったが、肩こり解消には良いかもしれない。



たらむ

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