まとめ

総括

 この文書では、(全くくだらない)閑話をいくつか挟みながら、文書を作成する際に言葉の面からのアプローチをする場合に何が起きるのかと、その実現に有用と思われるツールについて紹介しました。


 どちらかといえばツールの紹介に力が入っているように見えますが、実際に紹介に力を入れているので、あなたの観察眼は曇っていません。


 それらのツールの紹介をまずは排除すると、この文書で主張したいことは次のようになります。


 ・論理構造を視覚的に管理しながら文章を構成したいならば、 Markup言語が有用である


 ・執筆の形と思考の形は、一致していることが望ましい


 ・執筆の時点において、執筆以外の要素について懸念しないようにすることができる


 そして、これらの他に筆者の私見として、以下のことを閑話で述べました。


 ・多くの人々が共通の認識として持っている、あるいは持っていなくともその機能が一意に推測できる組版的表現以外は、積極的に使うべきではない


 ・組版的な要素の表記揺れは、可能な限りコンテンツの直接の提供者側で吸収されることが望ましい


 ・執筆において局所的な、つまり文章や文を編集する用途にはエディタが向き、全体的な、つまり文書そのものや体裁を編集する用途にはワードプロセッサが向く


 そして、上の主張や私見を補助するためのツールとして、以下のツールを紹介しました。


 ・ LaTeX(Markup言語、文書作成向き)


 ・ Markdown(Markup言語、文章作成向き)


 ・ Vim(エディタ、熟考向き)


 * VS Code(エディタ、速記向き)


 * Git(管理システム)


 * GitHub(ファイル共有サービス)


 ここで、アイテムごとのマークの違いは、・/*がそれぞれ本編/閑話で紹介したものです。


 以上を提示することがこの文書の目的ですが、はっきり言っておきたいことは、あくまでこれは提案であるということです。


 述べた主張については同意を得たいと考えていますが、私見についてはあくまで筆者の価値観であって普遍的に受け入れられるべきものとは考えていません。また、ツールの紹介についても、筆者が使いやすいと考えているものであって、必ずしもこれを使うべきとは主張していません。


 しかし、これらの提案を通じて執筆するという活動そのものに、読者が何か知見を得られたならば幸いです。

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