遺影縁
八影 霞
0 僕ら
―人生のポッドキャストを聞き流していたら、いつの間にかこんなところに辿り着いていた―
よく笑う子だった。
本当に。嘘じゃあない。真実さ。
今ではその面影すら残っていないがね。
笑えてくるよ。(これは皮肉だよ)
いったい、いつからこんな風になっちまったんだろうね。
あるいは何が僕をこうなるように仕向けたんだろう。
考えたって仕方ないさ。
僕が何十年も考えて分からなかったんだから、君が少し頭を捻ったくらいじゃあ、その指先にだって触れられはしないさ。
でも、気になるのは僕も同じさ。
じゃあ、こうしよう。
これから僕らで答えを探すんだ。
どうやってって?
そんなの簡単さ。
実際に見てみればいいんだよ。
どうしてなのかは分からないが、僕はこれから自分の一生にお目にかかることができるらしいんだ。
それに君もついてくればいい。
なあに、心配ないさ。
誰かに見つかったって平気さ。
その時は僕がなんとかするから。
だからほら、一緒に行こう。
さあ右手を出して。
おっと、すまない。君は左利きだったか。
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