涼宮ハルヒにはなれない僕ら
おさんぽミルク
プロローグ 涼宮ハルヒになりたかった僕ら
とうの昔に桜の花びらが姿を消した6月上旬。
猿野元気がこの県立森実高校に進学してもうすぐ2カ月が経とうとしていた。
ようやく高校生活にも慣れ、余裕が生まれたので、元気はふと自分の周りに視線を巡らせてみた。
そこには、
「嘘だっ!? 女性の乳首の色がこんなダーティーなワケがない!」
「これよりヤリチン狩りを始める!
「おいぃぃぃぃっ!? オレのお気にのAVでフリスビーしている奴、誰だぁぁぁっ!?」
「女性は膝が崩れ始めてからが本番だよね!」
「ヤッベ!? 股間からキノコ生えてる!? ……あっ、自前のキノコだったわ」
そこには――変態しか集まっていなかった。
「どうしてこんな事に……」
放課後、元気は人知れず自分の机の前で頭を抱えた。
花の高校生活……どうして自分の周りには変態しか集まらないんだろう?
そんなに前世で悪い事をしたのだろうか?
「たった1度の高校生活……本当にこれでええんか?」
断じて否っ!
「こんな変態共と3年間、一緒になんていられるか!」
別に元気は宇宙人、未来人、異世界人、超能力者になんかには興味なかった。
映画に出てくるような世界の命運を賭けたエキセントリックな青春なんかも求めていない。
猿野元気は、ただ純粋に、
「燃え盛るような青春が――恋がしたいんや!」
ただ読者の皆様には、最初に言っておこう。
この物語にはラブもコメディもない。
なんなら猿野元気は主人公ですらない。
この物語は頭とノリの軽さだけは天下一品の男子高校生たちが主役の、どうしようもないごくごく普通の物語だ。
山も無ければ谷もない。
時間をドブに捨てる勇気と覚悟のある優秀な読者諸氏のみ、お先にお進みください。
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注意1:本作のせいで身体に何らかの異常が起きたとしても、作者は一切認知しませんので、それでもよければお付き合いの程をよろしくお願いします。
注意2:本作は男子高校生の日常を繋げた短編集になっております。お涙頂戴の感動系とか一切ありません。純粋に女性経験皆無のサクランボーイズが互いの足を引っ張り合い友情を深めるだけのお話です。
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