第17話 冒険者登録
今日はルイ、アイ、ルナさんの冒険者登録をすることにした。
アイとルナさんはまだ登録していないらしい。
ルイの登録はすっかり忘れてた。
てことで冒険者ギルドに向かう。
ただ着いたのがちょうど7時。冒険者が依頼を取り合っている時間帯だ。
あっデッカイ男の人が吹き飛ばされた。かわいそうに。
「な、なんですかあれ」
「依頼の争奪戦だね。比較的楽で報酬が高い依頼を求めてあんなことが起こる。ギルドには7時少し前くらいに来たほうがいいよ」
「は、はい」
「僕なんて最初の方、クソでかい冒険者に吹き飛ばされてギルドの天井に突き刺さったからな」
「なんですかそのエピソード!?」
「それは置いといてとっとと登録するぞ」
「ちょっと待ってくださいめっちゃ気になるんですけど!」
「天井に突き刺さるハルくん……ふふっ可愛い」
「どこがだよ」
僕たちは受付に向かった。
ドラゴンの依頼を受けた時の受付嬢さんがいた。
「こんちゃーす」
「あっハルさん。今日は何の用ですか?」
「この三人の登録をお願いしたい」
「そちらの三人……っ!?こここここっ!?」
「おっとぉそれ以上は駄目だ。シーだ」
「は、はいっ!」
そういえばアイって皇女だったわ。
まあ元?だけど。元であってるよな?
「登録お願いするよ」
「分かりました!えーとりあえずこの紙に色々書いてください」
三人は受付嬢さんが取り出した用紙に必要事項を書いていく。
何を書くのかと言うと年、出身、性別、得意武器とかだな。
それらを書き終わったら魔道具に通す。
するとギルドカードが出来る。
これで登録は完了だ。
「はい。こちらが皆さんのギルドカードです。ランクはFからSまであって、最初は誰でもFですので理解お願いします」
「分かりましたありがとうございます」
「これで冒険者!ハルくんと一緒!」
「姫様声がでかい」
「は、はは。冒険者のルールなどはハルさんに聞いて下さい。では!」
あっ逃げた。
まあ皇女を相手にしたら緊張で胃が痛くなるよなぁ。
「いや、ハル殿。それだけでは無いと思います」
「?どゆことルナさん」
「姫様は2属性で12で騎士になっています。任務で魔物討伐や盗賊討伐に行くのですが……その時に使用する魔法が強力で」
「あーなるほど。ちょっと怖がられてるのか」
「そうですね」
「ひどいよねー!私、ただ任務をこなしてただけなのに怖がられるんだよ?まあ先輩には褒められる事が多かったけど」
まあ知識があって力が無い者からすると怖いよね。
それと機嫌を損ねたら氷漬けにされるかもだしね。
「まあその事は置いといて。早速依頼を受けに行くか」
「分かった!兄さん、こういうのは薬草採取からだよね?」
「それからじゃないと駄目って訳ではない。Fランクの依頼はそれ以外にもあるからそれを受けるんだ」
「なるほど……あの中に入るんですか?」
ルイは未だに依頼の取り合いをしている冒険者達を指差す。
「ちょっと待っとこうか」
流石にあそこに行ったらやべぇって。結界は張ってるけど野郎共に囲まれるのも嫌だし。
僕たちは依頼争奪戦が終わるのを話しながら待つことにした。
数分後、良い依頼を取れてハッピーな冒険者とあまり良くない依頼しか取れなくて膝を付いてる冒険者が出てきた。
おっさん冒険者が「くっそぉぉぉぉぉ!!!」って叫んでる。
あっ職員に怒られてるわ。
「な、中々カオスですね」
「まあ冒険者ってこんなもんだから。ほら、依頼取りに行くぞ」
「分かった!」
僕たちは依頼が張り出されている所に向かった。
Fランクの依頼は薬草採取、ゴブリン討伐、荷物配達が主になってくる。
因みに僕は荷物配達は一回もやったことが無い。
方向音痴だからな。街中だと地図があっても迷う自信がある。
「とりあえず薬草採取をやろうか。ゴブさんの討伐なんてみんな出来るでしょ?」
「ですね」
「えー私討伐依頼やりたいー」
「駄目です。薬草の知識を身につけるのも大事なんだからな」
「むぅー……ハル君、お願い♡」
「可愛く言ってもダメー」
「ハルくんのケチー!」
「「「「チッ」」」」
おっと非リア冒険者から舌打されたけど気にしない気にしない。
「イチャイチャすんな二人共」
「やれー!そのままキスだー!」
「何かルナさんキャラ変わってない?」
「あーこれがルナの本当の姿ねー。もう隠すのが面倒くなったんじゃない?」
「早くキスしろ!」
「うん静かにしようねー」
ルナさんからキスしろキスしろって言われたが無視だ無視。
今はそんなことより依頼だ依頼。
「依頼を受けるには、この張ってある紙を取って受付に持っていくんだ」
「「「はーい」」」
「で、受付嬢さんにオッケー貰えたら依頼を受けれる。達成したら受付にこの紙を持ってってハンコを押して貰う。これで報酬が貰える。分かった?」
「「「はーい」」」
「よーし我が生徒よ。薬草採取の依頼を受けてこい」
「「「イエッサー!」」」
「僕は甘い物でも食べてくるから」
「「「さぼんなや」」」
「冗談だ」
三人は薬草採取の依頼を持って受付に向かった。
そして戻ってきた。
「依頼受けれた!」
「ハルくん行こ!」
「早くキスしろ!」
「いつまで言ってんだよルナさん……」
僕たちは薬草を取るため、森に向かった。
今回の依頼の薬草は体力回復の薬草だ。
名はヒールナクサ。ヒールな草である。
ヒールナクサは雑草と見分けるのがムズい。
ハートみたいな模様があったらヒールナクサだ。だがその模様がちっこいんだ。
目が悪い人に優しくない。
「兄さんこれ?」
「ちゃう」
「ハルくんこれ?」
「そ──ちゃう」
「これですか?」
「ちゃう!」
全員、敗北。
みーんな雑草持ってきてた。
アイは欲しかったけどね。確かにハートの模様はあったけどキレイなハートじゃないと駄目なんだよね。♡くらいじゃないと。
それから数時間、僕はポケーとしながら三人が持ってくるクサを判別して、完了した。
こいつらやべぇって。僕いなかったら雑草を持ってっただけだって。
見つけてきたのアイだけだし。
「私は植物魔法があるからねー。何となく分かるんだー」
「そういえばそうだったな。植物には強いのか」
「植物魔法って凄いんだよ?木を操ったり出来るし。あっそうだ!私のお気に入り見せてあげる!」
「え?マジで?みたい!」
「ちょっ姫様!?それはダ──」
「竜樹」
そう言うと森の木が竜のようになった。
「なにこれかっこよ」
「すっげぇー」
木の竜に見惚れてると……
「あっ」
アイのそんな声と同時に木の竜が襲ってきた。
「「ぎゃああああ!!」」
普通にパクリんちょされた。
そういえばルナさん、アイが魔法を発動した瞬間、めちゃくちゃ遠くに避難してたな。
これを分かってたのか……先に言えよ!!
──────
竜樹はあれです。きめつに出てくる半分天狗野郎が使ってる血鬼術をイメージしてね。
因みに僕が好きなキャラは派手派手なあのお方です。
これを家族に言ったら「意外……」って返されたわ。
僕が陰だからそういうキャラ苦手だと思ってたらしい。
誰が陰じゃ!
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