閑話 仲介者の休日
というわけで地球のあちこちに散らばって、このバカンスを満喫するのだが……
「うぅ、仕事してないと安心しない……」
「そう言う時はぐっすり眠ればいいのですよ!」
ガタガタと震える可愛らしい
因みに趣味は盗撮である。
「じゃあ、社畜根性が染み付いてる
というわけで仲介者の二柱は、財布を握りしめて整体サロンに向かうのであった。
「ふわぁぁぁあ、気持ち良い」
ここは天国だった。
そう
そんな
「お客様、痛くないですか?」
「全然痛くないですよぉ〜」
本来これくらい固まっていると相当痛いはずなのに、本当に気持ちよさそうにしている
「はぅ……ふう♡」
そんな様子をしっかりカメラに収める
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「美味しいです」
いつも無表情な銀髪幼女の
白いご飯がどんどん減っていき、その容姿と身体には全く異なる量を食べる二柱。
「もう上タン二十人前だぞ……」
「あんな可愛らしい少女達が食べれる量じゃないんだけどな」
「でも店長、あの子達めちゃくちゃ美味しそうに食べますし、食べ放題なんでいいじゃないですか」
「赤字かぁ……」
厨房で店員と店長がそんな話をする。
「今日の賄いは、もやしのナムルとキムチとご飯だけでいいか?」
「……まあいいですよ」
すると、またしてもベルが鳴り、銀色と金色が映える美少女二人がお肉を頼む。
店員一同、美味しそうに食べるのを見て癒される反面、どんどん赤字になっていくのは厳しいものがあった。
「凄く美味しかったです」
「ご馳走様」
そう言って彼女たちは店を出た。
「次はラーメン巡りでもしようか」
そうして二柱は日本全国を巡って美味しい物を食べ続けた。
本当に底なしの腹である。
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「はー、休みに何したらいいか分からなくなってきた自分が嫌になる」
「エスタの世界のプレイヤーに干渉しようにも、
「うわ、切断かよ……ついてないな」
全く、マナーがなってないな。
そんなことを思いながら気を取り直してゲームを再開する
コーラを飲んでポテチをつまみ、レート戦を勝ち進んでいく。
「おお、お相手強い上手いな、猶予一フレームを、実戦で使ってくるあたりかなり練度があるし、立ち回り硬すぎ……」
そう褒めながらも、直ぐに対応してねじ伏せていく
対戦相手を調べてみると、ゲーム配信をしているプロだった。
「世界ランキング三位って凄いな……とりあえず“対戦ありがとうございました”っと」
カタカタとタイピングして配信しているプロにコメントを送る。
『こちらこそありがとうございました。めっちゃ強かったですね』
:ルイさんに勝てるとか何者!?
:Einって人全く聞いたことない
:プロのなりすましとか?
:いや、ルイさんに勝ってるプロの使ってる持ちキャラと全員一致しないんだけど……
:こんだけ強いのに無名ってマジかよ
『あ、また当たった……』
:勝てるんかこれ
またも余裕を持って勝利する
そもそもとして人間から遥かに逸脱した存在故に、フレーム単位で判断できるのだ。
「もうすぐレート2700行きそう」
◆◇
天国などと言う理想郷より、よっぽど泥臭くて、美しい地獄だなと、地球を見て
神は完璧を作って、完璧だからこそ停滞して崩壊した。
彼らに向上心は無く、彼らに飢えも乾きも無く、無限の時を、彼らは課せられた。
一方から見たら完璧だったかもしれないその理想郷は、いつしか脆く、歪み、壊れていく。
そんな光景を見て、
私たちは、完璧を語るにはあまりにも足りないのだと。
ならば……
競争があり、闘争があり、戦争があり、
不平等な世界を、不完全な世界を、彼女は創った。
しかし、救われない者たちが多すぎた。
抑圧、差別、枯渇、自滅、傀儡、貧困、不運、失意。
これらが起こるのはある程度仕方がない。
しかし、完全な実力主義の評価であれば、もっとやりようがあったのではないかと考えた
しかし、自分一人では無理だった為に、プレイヤーとキャラクターと自分を除く十九柱の
そうしてこのゲームを通して、
美しいまま散っていく桜のごとく。
◆◇
後書き
これにて第一章完結です。
第一章ではキャラクターの背景と、キャラクターが持つ本懐を重視したので、視点移動が急すぎて、読み手に伝わらないんじゃと不安になるこの頃。
読みやすさと話の展開、それから心情描写をうまく合わせて綺麗に描ききるには、私の力量では難しく、これからの課題として頑張って精進していけたらなと思っています。
第一章でのテーマは葛藤と成長で、私がこの小説を通して描写したかった裏テーマは生きることへの疑心と克服、それでも変えられない運命です。
本来の内容では、もっとぐちゃぐちゃに歪みきったものになるはずでしたが、あまりにも内容が残酷だったために、自分の心が持たないと判断して今の形に収まりました。
というわけで、小説を書いている私の裏話でした。
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どうかください……(本音)
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