パラレル
あべる
第1話 アナザー・ワールド
2027/04/15/17:12 夜州交差点
?「―――!」
?「ん?
零「え?いや...何も言ってない、僕が何か...気づかないうちに言ってた?」
何か気になることについて考え始めて上の空になることは彼にとっては珍しくなかったが、ついさきほどまで考えていたことが全く思い出せないことに強烈な違和感を覚えていた。この青年の名は
?「気のせいか、まあそれはどうでもいいんだよ,とにかくお前が買ってきたIC、俺が頼んだやつと違うっての!」
隣にいる零と同じ制服を着たもう一人の青年は彼の友人である、
学校から家へ続く道を歩みながら彼らは話をしている。
零「えー?どれも変わらなかったよ?全部黒いムカデみたいだし全然見分けつかなかったし」
零「(あれ、この会話のことは覚えてるのにな?さっきまでシュウと一緒に帰ってたんだ、それでさっきはシュウの話を聞きながら何か考え事をして...なんだっけ、すごく大事なことだったきがするのに)」
終「ぜんぜん違うっての!ピン配置も特性も違うし,型番もメモに書いてあったろが!それにムカデじゃねー!」
零「...うん、まあ次はちゃんと選んで買ってくるよ」
零「(まあ、いっか)」
この物語は、ここから始まる。始まった時の流れは止まらない、時間はこの世のすべての人に平等に与えられ、彼に選択をせまることになる。
17:18 月夜叉公園
終はベンチに腰掛け本を開き、零はジャングルジムの上に立って遠くの空を眺め、今口を開いた。
零「僕は、あの
あの月は進む、僕も進む...さあ、いかなくては、雲が孤独で包み込む前に...」
零「なーシュウ」
終「ん?」
零「今の何点?」
終「ふむ,なんの点数がだ?」
零「今の僕の発言と状況のエモ度だよ、エモ度」
終「あ゙ーね...」
興味なさそうな声色でチラリと零の方を見上げ、その答えを返す。
終「月は俺から見えんな...0点だ」
零「判定厳しくない?カメラさーん、もうちょっとこっち寄って!月の映る画角でお願いしますよ!」
終「独創的だな,だが無意味だ。」
やる気のない審査員兼カメラマンの採点に不機嫌そうに
零「公園のモニュメント時計の秒針は力強く、秒針が...ん?」
ふと目に入ったその少し大きい公園ならどこにでも一つはありそうなモニュメント時計をみて風情のある文章を考えようとしていた矢先、その時計に奇妙な点があることに気づいた。
零「ねえ、シュウ」
終「ん?もうポエムは言ってたか?聞き取れなかった,もっかい言ってくれー」
零「いや、なんかあの時計変だ...秒針が、3つある。長針のすぐ上にもう一本、長針があるんだ」
終「本当か?故障でも針は増えないし,製造ミスだろうぜ.どの時計だ?」
終もその時計が気になり零の視線の先をおって立ち、振り返った。
終「あの時計か?確かに時計はあるが,俺には短針と長針一つずつしか見えないぞ?」
零「え?今も見えてるのに...見えない?」
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