第29話 第二ラウンド

アズサの神装「ロードアビス」は剣を振るう事によって真空の刃を生み出し相手に不可視の斬撃を与えるという効果だ。

不可視という時点でかなり強力ではあるがそれは魔力によって威力が変動する。


レインの神装「スペースド」は空間に干渉する事が出来る。それは応用性が高く限定範囲内ではあるが瞬間移動や斬撃の判定を空間ごと移植するといった事が可能となる。




◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️

お互いの力量は互角。

なら後は神装をどれほど使いこなしているかで決まる。



レインが目の前から消える。


レインは限定的だが瞬間移動をする事により

相手の背後や死角に回れる。


それを生かしアズサの背後へと移動しそのまま背後から…


キンッと澄んだ音を奏でその剣が防がれる。


「なにっ!?何故反応できるっ!?」


「それは私が強いからだよっ!」


その瞬間四方八方から真空の刃がレインを襲う。


「ぐぁぁっ!」


そのままレインは力無く倒れる。


「見事だ…アズサ君…」



「レインの戦闘不能を確認っ!勝者!アズサ!」


会場が歓声に満ちる。


「アビスーーー!!!!!」


愛しい愛しいこの世界で一番大切な人が自分に駆け寄ってきてくれる。


「うぐっ、ちょ、ちょっとー?アビス苦しいよ。」


「あ、ごめんねアズサ。でも私はアズサの勝利を信じてたからっ!」


本当に可愛い。私の大好きな彼女は。


私は愛しの彼女の耳元で囁く。


「王都に戻ったら夜は寝かさないからね。」


「ぴゃうっ!?」


赤面して固まったアビスを抱え控室に戻る。

強いのに夜の闘いの方は私が上なのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る