掌編・『憧れ…女性』

夢美瑠瑠

(これは、さる4月10日の「女性の日」の”あなたにとって憧れの女性は?”というアメブロのブログネタに投稿したものの転載です。)





 まず、女性一般が永遠の憧れの対象です。

 憧憬の念を抱懐している。


 男の、女性に対する愛情や執着は、生殖のために、刷り込まれている動物的な本能の、昇華されたもの、そういう発想もありうるが、ボクは「人間は神の似姿」という、”ミッシング・リンク”説を採用したい。


 動物と人間では、いろんなことがあまりにも隔絶していて、進化論だけでは説明が付きにくいことが多いような気がします。


 「サルがでたらめにキーボードを叩いて、シェークスピアを書くくらいの」と、よくそういうたとえを使うらしいですが、?それほどに人類というものがこういう進化を遂げて超高度な文明を持つに至ったことは、激レアな現象と言えると、読んだことがあるような気がします。


 最近の「中立説」independent theory というのもあるし、今西錦司の棲み分けの原理や、ダーウィニズムの適者生存ではなく、より偶然の要素が強いという考え方とか?、生命の進化にはそうした様々な分析もあって、宇宙論もそうだろうが、時代のパラダイムや学問的な思潮の変遷やら流行で、却って真実は分かりにくくなる一方…


 「ミッシング・リンク」説ならばシンプルで、残存の化石を年代順に分析していくと、ピテカントロプスとかの古い人類が現今の人類に近い姿になるまでに”欠落した橋渡し”のプロセスがある、で、…その失われた部分を繋ぐものは、要するに「宇宙からきている」のではないか?


 つまり、人工的になんらかの別の存在が「創造した」のが、人類の祖先では?それが「ミッシング・リンク」説である。オカルトぽい話だが、信憑性も、信じる人も少なくない。宇宙人関連の「動物園仮説」にも発想が近い。


 「神」や「天国」というものが人類において普遍的なイメージで、それは空の彼方にある…「女神降臨」あるいは「天孫降臨」というように、舞い降りてくる超越的な創造主、Creator が存在するという信仰、それは荒唐無稽な妄想ではなくて、真実の黙示、単純な進化論こそが誤謬だという証左ではなかろうか?


 思春期ごろに、ボクは自虐的というのか?「人間は生物進化の鬼子、畸形児」⇒「本能が壊れた間違った存在」⇒「それゆえ地球の歴史の中でおかしなことばかりしている」…そうしたニヒリスティックな思想に嵌って、その影響はいまだに根強くあります。 


 が、基本的に人類というものが単なる進化論における徒花というか、フリーキーな突然変異とか考えるよりも、本当に「神の似姿」、そう考える方がかえって自然ではないのか?だんだん自身の発想も変わってきたのです。

 自分の場合、そうした変化は「女性との邂逅」によりもたらされたのかもしれない。

 ドーテーで、ただ暗い部屋で孤独に悶々としていた時代には、人間というものを前向きに肯定することなどは到底及びがつかなかった。自らの存在は、「魂の牢獄の醜い肉体」、そうした自家撞着そのもので、それがすべてで、絶望的な思想しか抱きようがなかった。   


 が、単なる抽象的な憧憬の対象でしかなかった「女性」一般と、現実に触れ合い、会話をして、で、もちろんそういう成熟した異性間の愛情の交流、性的な交歓こそが人間における天上的な唯一のもの?そうもいえて、で、「人間は神様の創造物」という、ロマンティックな発想の方に親近感を覚えるようになったと、そういう経過だと思います。


 で、まあ、そう偏頗な現象でもないかもしれない。戦争の惨禍その他で戦後に「実存主義」が流行したりしたが、ひたすら「個」に閉じこもるような自閉的病的な発想はやはり人間にとって本来的なものではなく、カウンターカルチャー?そういう批判的な逆説なのだと思う。


 「ボーイミーツガール」の青春に自我を形成して大人になる…ボクにはそういう青春期がだいたいなかったのです。


 非常に遠回りをしたが?紆余曲折幾星霜を得て、かなりに人生が軌道修正できてきたというようなそういう自覚もあって、かなりイレギュラーですが?これから本当の「ボーイミーツガール」の季節を、迎えられたらいいなあ、と思っています。


 で、究極的には、本当の憧れの女性、一生の伴侶、プラトニックな?永遠のベターハーフ、そういうアニマ?と出逢い、結ばれたいなあ💓



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掌編・『憧れ…女性』 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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