第5話 ジュエルとお買い物

_ジュエルが仲間になって三日目_


「パピさん♪パピさん♪」

「なんだよ」

「買い物に行きましょう!シドルには内緒で」

(なんか嫌な予感がする)


「ルン♪ルン♪」

なぜかジュエルは楽しそうだ

「なあ、ジュエルー。なんか買うもんでもあったけー」

「何言ってるんですかパピさん。私たちは強くならないといけないんです。そのためには買うものはいっぱいありますよ。あんなだらけたメンバー集めにしか興味のないシドルとは違うんです」

(なんかギルドに入って三日でずいぶん変わったなぁ)

「で、何買うの。高いマテリーを買うお金なんてうちにはないんだぞ」

「マテリーを買いに来たんではありません。武器です、武器。」

「そういやお前武器持ってなかったよな。どうやって闘技場で戦おうと思ってたんだ。」

「そりゃー・・・・適当に魔法でドビャーっと」

(バカバカしい。ジュエルはレベル1のマテリーしかもってないだろ)

「パピさんあきれてるのが顔に出てますよー。その腹立つ顔に。」

(やっぱりなんか口わるいなぁー。ギルドに入ってくるときはあんなにいい子そうだったのに)

「まあ、とにかく何の武器を買うんだ?剣か?槍か?」

「弓にしましょう」

「弓!?」

弓はマテリーの普及によりあまり使われなくなった武器だ。

「なんで弓なんだ?」

「私は小さくて腕も短いから、武器は弓がいいと思うんです」

「それなら槍はどうなんだ?槍も長いものにすれば遠いとこまで届いていいじゃんか」

「槍ってなんかダサいじゃないですか」

(全世界の槍使いに謝れ)

「あ!これなんかどうですこれ。大きくて青くてかっこいい♪」

(青い弓なんてめずらしいな。今俺たちが出せるお金はせいぜい20ドラーだ。これはいくらかなー)

「50ドラーーー」

「いけません?」

ジュエルは可愛い顔でこちらを見てくる

「一番安い5ドラーのやつじゃだめか?」

ジュエルは何も言わずこちらをただ見つめている


結局、パピはお金を借りて弓を買ってあげた


「ルン♪ルン♪ルン♪」

ジュエルが喜んでいて少しだけうれしくなったパピであった

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