シスターゾンビ

天然無自覚難聴系主人公

第1話 事故

 山道を一台の車が走る。


 周りの森は緑豊かな穏やかものだ。道は舗装されているがあまり使われていないのだろう。


 落ち葉が積もり山となっている。天候は晴れ日差しを葉が遮り木漏れ日となり、とても穏やかな今日。だが車内は荒れていた。


「キャンプ楽しみだな二人とも~!……反応薄……僕だけじゃ無理だからなんか言ってやってよ」


「ちょっとアンタ達ゲームやらスマホしか見てないじゃないの!もっと外の風景見て自然を感じなさいよ!」


「ちょっとねーちゃん脚邪魔だから退けてよ」


「別にいいでしょ?そのくらい」


「じゃあ言い方変えるけど、この臭い脚どけろよ!鼻が曲がりそうです〜」


 と、言った瞬間蹴られる。いつも通り、雄大な自然の中だろうと住み慣れた家と同じ様な光景。


「仲良くしなさい!全くいつもいつも言い合って飽きないのね」


 うるさいな、ねーちゃんが悪いんだから俺には言うなよ……あーもうめんどくさい。つまらない、つまんないてか、キャンプって何だよ!なんでそんな急に行くんだよ、つまんないだろ!Wi-Fi無いだろうし。


「あれ?あれって対魔特殊機関DDWじゃないか?この辺にも悪魔でも出たのかなー?」


「どうせ巡回パトロールでしょ?」


 この世界には悪魔がいる。なぜ生まれたか、どういう仕組みなのか全く分かっていない生物。ただ人間に害をなす、見た目が気持ち悪いという事で悪魔と呼ばれ始めた。


 比較的に出現率は高くゾンビなどはよく山などに行けば遭遇するらしい。それを倒すのがDDWという組織だ。


「おっ!看板が見えたしもうすぐ着くぞ!楽しみに待っとけよ!たったの5キロだ!楽しみだなー」


 そう言った時、大きく車が揺れ、大きな音と共に衝撃が全身に駆け巡る。そして浮遊感を襲われる。


 一瞬見えた窓の外は天地が逆転していた。そう何かが車の進行を邪魔しそのまま車が角を曲がり切れずガードレールを突き破り崖から落ちたのだ。


 僕の意識はここで飛んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る