ストレンジ

@sasu0502

第1話 "クリーナーズ社"

この世には突然変異によって奇形に姿を変えてしまう人間がいる。その原因は未だ不明のまま…。

ー都内某所ー

僕「行ってきま〜す。」

母「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

父「今日は早く帰れるからな。みんなで夕飯食べような。」

僕「うん!」

陽奈「お兄ちゃん待ってー。」

僕「ったく、日和は…。」

ー学校終わりー

僕「なんだ…これ…。母さん!父さん!どうしちまったんだよ!?へんじしてくれよぉ!!」

陽奈「たす……け……。」

僕「はっ、ひ、陽奈!?しっかりしろ!!」

そこに奇形の何かが二体現れた。

???「キ…キユイイ?」

僕「ひぃ!お前…何なんだよ!!」

???「ギユ"イ"イ"イ"イ"イ"イ"イ"!!!!!」

僕「う、う、うわあああ!!」

グシャア!!

突然そんな音とともに目の前の化け物が肉片となり飛び立った。

僕「え…あなたは?」

謎の女「今の化物を倒す仕事をしているものだ。それよりも勇聖君!早く救急車を!」

僕「はっ、はい!」

ー病院ー

僕「陽奈……。無事でいてくれ……。」

医者「死力を尽くしましたが…いつ目を覚ますかは、わかりません…。申し訳ありません。」

僕「ど、どういうことですか!」

医師「…。」

僕「なんとか言ってくださいよ!陽奈の、妹の命がかかっているんですよ!?」

医師「…昏睡状態、ということです。」

僕「そう、ですか…」

ー病院の外ー

僕「あの化け物も、あのお姉さんも一体なんだったんだ…?」

謎の女「興味があるのかい?」

僕「あなたは…さっきのお姉さん!?どうしてここに?」


謎の女「私は君があの化け物に襲われたときにかなり高いジャンプをしているところを偶然見かけてね。君に興味があるんだ。」

僕「興味?」

謎の女「単刀直入に言う。私と一緒に戦わないか?」

僕「……え?」

謎の女「私は法城唯!君の名前は?」

僕「天川勇聖です…。」

唯「勇聖君か!いい名前だな!」

法城唯さんはとても背が高くスタイルが良い筋肉質な体をした美女だった。

唯「勇聖君は幾つなんだ?」

僕「僕は15です。」

唯「学校やめちゃえば?」

僕「何言ってるんですか?」

唯「我々の会社に入れってことだよ!」

僕「会社?」

唯「クリーナーズ社さ!」

僕「クリーナーズ社?この年齢で入れる会社なんですか?」

唯「年齢なんて関係ないよ!君より年下の幼女も少年もいるぞ!」

僕「そんな年齢で会社に……?」

唯「私も19歳の現役大学生だ!一応幹部をしている。」

僕「その年齢で!?」

唯「失礼だな〜。まぁいい!どうだ?勇聖君、クリーナーズ社に入ってはくれないか?」

僕「……僕の妹も救えますか?」

唯「勿論だとも!だがそれは君の働き次第だ!」

僕「わかりました……入ります……。」

ークリーナーズ社ー

唯「ようこそ、クリーナーズ社へ!」

僕「ここが、クリーナーズ社…。」

謎の男性「君が新入りかな?」

僕「は、はい!天川勇聖です!!よろしくお願いします!」

謎の男性「なかなか元気があるな。私は

風巻徹次だ。よろしく。ところで君は運動は好きかな?」

僕「はい!運動は好きです。」

唯「彼はジャンプ力にかなり長けています。彼が奇人(ストレンジ)に襲われているときにかなり高いジャンプをしたのを見ました。」

徹次「なるほどそれは頼もしいな。これからよろしく。」

僕「奇人(ストレンジ)?」

徹次「説明がまだだったな。我々クリーナーズ社はあの奇形の化け物を"奇人(ストレンジ)と呼んでいる。我々はその奇人(ストレンジ)を排除するために日本政府直々に結成された秘密組織だ。」

僕「日本政府が……。」

徹次「そして君の両親はおそらく奇人(ストレンジ)になったんだろう。」

僕「じゃあ父さんと母さんは奇人(ストレンジ)から元には戻せないんですか?」

唯「いや、今研究室で元に戻す薬を開発中なんだ。ただまだ材料が足りないらしく、私たちは排除のついで、その材料も探しているんだ。あと優秀な人材も探している、君みたいなね。」

僕「そう……ですか……。」

徹次「まぁそういうことだ。気にすることはない!」

下っ端A「社長、任務司令です!」

徹次「早速だが、初任務だ。勇聖君、そこの部屋は君の部屋だ。そこに君用のスーツと武器がある。自由に使いたまえ。ゆけ!確実な排除を心がけろ!」

徹次が出口のドアを指さすと社員たちが一斉に飛び出て行った。

僕「え!?あ、行ってきますっ!!」

僕「それで……任務って一体どんなのなんですか?」

唯「我々クリーナーズ社の初任務は"奇人(ストレンジ)狩り"だ!」

ー廃工場ー

唯「ここだな、行くぞ。」

僕「あの……。」

唯「ん?どうした?」

僕「ここの奇人(ストレンジ)が倒せなかったら僕はどうなるんですか……?」

唯「……この会社をクビになるな。」

僕「そんな……。」

徹次「私の声が聞こえるか?」

着用したスーツの右耳側のスピーカーから徹次の声が聞こえる。

僕「はい聞こえます。」

徹次「初任務、緊張しているか?」

僕「まぁ、してます。」

徹次「心配しなくていい。私が保証する。君は生きて初任務を終えられる。」

僕「分かりました。頑張ります。」

唯「ぐだぐだしてないでさっさと行くぞ。」

僕「はい!」

二人は廃工場を散策する。

唯「よーく覚えておけ、奇人(ストレンジ)はいつどこから現れるかわからない。私たちクリーナーズ社の仕事は現れたら速やかに排除すること。それだけさ。」

僕「なるほど……。」

唯が何かを感じたかのように廃工場の奥へと進む。

唯「……何か来るな……」

奇形生物が現れた!

奇人(ストレンジ)「ギヤアアアアアアイイ!!ギイイイギャアアアア!!!!」

奇形生物は奇声を発しながらゆっくりとこちらは近づいてくる。

BATTERY XTREMEーバッテリー残量10%

僕「僕にやらせてください。」

唯「おい!一人で突っ走るな!」

奇形生物が動き出す!

BATTERY XTREMEーバッテリー残量2%

僕「うおおおお!!」

奇人(ストレンジ)「キエエエイイイイイ!!!」

僕はジャンプして奇形生物の真上を飛び越す。

BATTERY XTREMEーバッテリー残量2%

僕「はあっ!!」

着地と同時に奇形生物にぶつかる。

僕は簡単に突き飛ばされた。

僕「うわあああ!!」

近くの柱にぶつかる。

唯「だから言ったのに!見てろ、奇人(ストレンジ)が現れたらこうするんだ。」

そう言うと唯は武器を手に握り奇人(ストレンジ)の目の前に一瞬にして到達した。

そして切り裂いたのだ。

奇人(ストレンジ)は真っ二つになり地面を転がった。

僕「す、すげぇ…あんな簡単に排除しちゃった…しかも早ぇ…。これが幹部。」

唯「関心してる場合じゃないぞ。奇人(ストレンジ)はゴキブリと同じだ。1体いたら近くに100体いると思え。」

僕「はい、了解です!」

その後も奇人(ストレンジ)を討伐しながら奥へ奥へと進んでいった。

ー数時間後ー

僕「はぁ……はぁ……これで最後だ……」

BATTERY XTREMEーバッテリー残量2%

最後の奇人(ストレンジ)が現れた! BATTERY XTREMEーバッテリー残量1%

唯「よくやったな、あとは私に任せろ!」

僕はなんとか生き延びた。しかしここで問題が起こった。

それは唯が僕を逃がすために奇人(ストレンジ)を1体残し、また奥へと戻って行ってしまったのだ。

僕「嘘だろ……。」

奇人(ストレンジ)はこちらに向かってくる!

奇形生物が現れた。

BATTERY XTREMEーバッテリー残量1%

僕「うおおお!!」

BATTERY XTREMEーバッテリー残量1%

奇形生物が飛びかかってくる。

僕はジャンプして避ける。

僕の顔面スレスレを飛んで行った……がギリギリだった。

BATTERY XTREMEーバッテリー残量1%

持っていたソー型の刃で奇人(ストレンジ)を切り裂いた。

血が飛び散り、肉片が転がる。

唯「おお!やるじゃないか!吸収の早いやつは嫌いじゃないぞ!」

僕「ありがとうございます!」

唯「うむ、じゃあ社に戻るか!」

僕「……あの!」

唯「?どうした?」

僕「寄りたい所があるんですけど…」

唯「寄りたい所?」

僕「ついてきてもらっていいですか?」

唯「構わないが。」

それから二人は歩いて勇聖の実家へ向かった。

僕「着きました。」

唯「寄りたいところってこのマンション?」

僕「はい。ここの9階に僕の実家があるんです。」

唯「もしかして勇聖君、両親を排除しようて思ってるのか?」

僕「そうです。二人とも苦しい思いしているんじゃないかと思ってずっと気がかりだったんです。」

唯「そうか…。それで後悔しないなら自分の手で排除したまえ。勇聖君の元両親の奇人(ストレンジ)を…。」

僕「やります…!!これも試練の一つなので…!」

ー9階ー

僕「908…909…910あった!ここです。」

唯「910号室か。」

その時右耳のスピーカーが作動した。

徹次「どうだ、任務の方は終わったか?」

僕「はい、終わりました。それで今、実家の目の前にいます。これから奇人(ストレンジ)になってしまった両親を排除します…。心苦しいですが。」

徹次「あまり無理をしなくてもいいんだぞ?」

僕「いえ、大丈夫です。これは僕に与えられた僕にしか出来ないやらなければならない試練なので、では……。」

僕は910号室の扉に手をかける。

ガチャッ 玄関の扉が開かれた。BATTERY XTREMEーバッテリー残量1%

勇聖は奇人(ストレンジ)になった両親の真上にジャンプした!

BATTERY XTREMEーバッテリー残量1% そしてソー型の刃で奇人(ストレンジ)になった両親を切り裂いた。

奇人(ストレンジ)「キ…キユイ〜…キャ…。」

か細い声を出し、2体とも肉片と化して消えていった。

僕「終わりました…。任務…完了です…。」

その声は明らかに泣いていた。

唯「辛いか…?いや、辛いろうな、大事な両親だもの。少しの間泣いたら、社に戻るぞ。」

僕「はい…。」

それから5分ほど僕は泣いた。今までの苦しみを全部吐き出すように…。

…思い切り泣いた。

ークリーナーズ社ー

徹次「ご苦労だったね!初任務大成功だよ!!」

唯「当然の結果だ。」

BATTERY XTREMEーバッテリー残量0%

僕「……あれ?こんなにバッテリー減ってたんだ……って!?え!?」

BATTERY XTREMEの表示が突然なくなり、電力が切れてしまった。

そしてスーツが機能を停止した。

僕「あわわわ、これ…どうやって脱げばいいんですかぁ?」

徹次「首の裏のボタンを押すんだ。」

僕「首の裏のボタン?えーっと、えーっと、あーっと、あぁ、あった!これか!」

スーツの首の裏部分のボタンを押した。

プシューっと音を立てスーツが脱げる。

唯「お、おい…あまりそのままでいないでくれるか?目のやり場に困る。」

僕「え?あ…あああ…ああああああ、ちょ、ちょっと見ないでくださーい!!」

裸の勇聖は急いで社内の部屋へと戻る。

唯「ったく。でも彼、成長に目を見張るものがあると想うのですが。社長はどおおもいますか?」

徹次「同意見だ。これまでで一番の逸材かもしれん。慎重に育ててくれ。担当は唯くん、君に任せる。そして他のみんなもご苦労だった。今日は飯食って明日に備えて寝なさい。」

唯「ありがとうございます。では、失礼します。」

唯は部屋にもどった。

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