第3話 変身後のあれこれ

俺は高遠蒼太。22歳。俳優である。

鬼神戦隊ゴッドオーガーのブルーで脚光を浴びる…はずだった。

この異世界、アースティアに転移なんぞしなければ。

この話は俺目線で語るとしよう。


ゴッドオーガーは鬼を模したヒーロー戦隊である。

それなりにビジュアルも良かったと思うし、実際に子供から大人まで喜んでもらえた。

必殺技は「名前が子供にわかりづらい」と批判もあったが…確かに。

まぁ、それはそれ。なんにせよヒットした。


今日も我々は村へ、街へ、エルフの森へとゴブリンやオークの討伐に駆り出されている。

だいぶ板についてきた気はするが…やはり触れずにはいられない。

というか突っ込んでおきたい。


少しばかりゴッドオーガーの変身後のデザインが変わっていた。

最初にこっちの世界で変身した時は向こうのまんまだったのに。

もちろん言うまでもあるまい。あいつだ。

女神エリシアの仕業だ。


先ずはオーガブラックのコクムのスーツだ。

マスクは角の部分が少し短く、かつ鋭利になっている。

それはいい。普通にカッコいい。

だが、なんだあのボディのラインは!!太ももと胸元の露出は!?

何故ちょっとけしからん感じになっている!?

「せっかくのエッチぃナイスバディ、ちょっとくらい出さなきゃ勿体ないでしょ?」byエリシー

じゃないんだよ!!

ヒーロー舐めてんのか!!


次にオーガレッドのクレハ。

ノースリーブにショートパンツ。こちらも露出多し。

「大丈夫!ちゃんと魔力が付与してあるから防御力はバッチリよ!健康美、健康美♪若いんだから」byエリシー

クレハ本人は「うん、動きやすいよ。いい感じ」だそうだ。

戦闘中、男連中は気を使うんだがな。


そして男連中のスーツにも触れておこう。

先ずオーガイエローのオウキン。

ヤツのスーツはエリシアの関西に対する偏見か?

気持ち虎感が入ってんだよな。

マスクがあからさまに虎柄になっている。

腕や足の部分も黄色と黒のシマシマが入っている。

「あなたたちを探し当てる前にいろいろ見てたらオオサカってとこで玉を打つゲームをしてる男性たちを見たわ!そのイメージよ!」byエリシー

ちょいダサな気がしたがこれも本人は嬉しそうだ。


次にオーガグリーンのリョクジュ。

彼のスーツは…筋肉ライン出過ぎでは?と。

ピタッとしていてマッチョの主張がスゴい。

暑苦しさがビシビシ出ている。

不思議と戦闘中に汗じみは出ていないのだが。

「撥水、速乾バッチリよ!臭いも出にくくて爽やか!」byエリシー

「動きやすい!肌で敵の気配を感じやすく、ダメージの程もわかりやすい!」と緑樹さん。

まぁ、本人が納得満足ならいい。


最後は俺、オーガブルーの高遠蒼太だ。

形はさほど変わらない。が、美しいスカイブルーだったのだがディープブルーに変えられている。

「あなたはスカイブルーなんて爽やかなイメージじゃないのよねぇ。カッコつけててちょっと冷たくてちょっと暗いイメージよ!」byエリシー

ほとんどマイナスイメージしかないのな、俺のこと。

冷たくて暗い、な。

クールと言ってくれないかな!


女神エリシアはサービス精神は旺盛だとはわかった。

余計なところが多々あるのだが、まぁバトルスーツとしての機能はしっかりしているからとりあえず良しとする。

今回は、だ。

報告・連絡・相談。『ほうれんそう』というものをあの駄女神には覚えてもらおう。


以上。




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