酒場の主(仮)
@502384
第1話
唐突だが俺は転生者だ前世では特にブラック企業に就職したわけでも
トラックに轢かれたわけでもないが急に胸が苦しくなり死んだ
おそらく酒の飲みすぎだったのだろう
目が覚めると知らない天井で赤ん坊から再び新たな人生が始まった
それから27年、俺は冒険者になり稼ぎまた酒を飲む
酒は神の血などと言われる神聖なものだ
それすなわち酒を飲むという行為は神聖な儀式のようなもの故に俺は 飲み続ける
「「カンパーイ!!」」
ギルドは依頼を受けるだけでなく食事できるように機能しており
夜は酒場になり多くの冒険者たちがたむろしている
酒を飲むもの 、食事をするもの 、冒険譚を語り金を稼ごうとする吟遊詩人など様々な人間がいた 。そんな場所に俺がいるのは当然その神聖な儀式をすることで
「あいかわらず飲むねぇギルザ。俺がここに来た時から飲んでるじゃねえか」
「おいおいダグダ?俺がやってることは神聖な儀式だぜ?酒は神の血だから俺は世界一の信仰者だぞ?敬えよ」
「また馬鹿なこと言ってら、いい加減しないと教会にいる奴らにボコられるぞ?」
ダグダはよく一緒に飲み、奢らせる奴で冴えない顔してギルド内ではそれなりに信頼とそれに見合うランクを持っている
「そん時はそれを肴に酒を飲むだけだ」
「ちげぇねえや!!」
ダグダは太ももを叩き笑いながら酒をあおるとカウンターにいた給仕に追加の酒を注文する。そんな笑いの中、雰囲気に似つかわしくないため息が聞こえる
「はあ、そろそろ飲むのやめて話を聞いてもらっていいですか?」
そう言うのはブロンドの髪をする女ミーナでダグダの嫁である
そうこんな冴えない奴の嫁なのだ
胸は普通くらいだがケツがデカい・・・ ダグダのやつ一発殴ってやろうか・・・
そんな邪まなことを考えているとミーナはこほん、と咳払いし 本題に入った
「そろそろ春になるので今春の新人たちが来るでしょう。今回の新人研修はうちの番なのですがタイミング悪く人を方々に送っていてこの人と私で行わなければならなくなり・・・申し訳ないのですがギルザさんに同行をお願いしたいのです・・・・」
ダグダを団長にクランを結成している【ハングリィウルフ】
クランは結成する条件して定期金と年に4回の新人研修を順番にしなければならない
今回はその番がこいつらのとこに来たわけだ
「もうそんな時期か・・・いいぜ?また奢ってくれるならな」
「お前はいつも飲んでるから季節感覚がバカになってんだな!」
ダグダがバカにしてくるが気にしない事実だし
「ありがとうございます。では私はこれで先に失礼しますね。あまりこの人に飲まさないでくださいね」
そういうとミーナは俺に頭を下げギルドを後にした
出ていくミーナの後ろ姿をほかの冒険者たちが凝視するがダグダの
「さて、じゃあ今回も奢ってもらいますか」
「あんまり高いもんを頼むなよ?俺が怒られるから」
こうして俺たちは日が変わるまで飲み明かし解散した
後日ダグダに会うとミーナにかなり怒られたそうだ。幸せ者が・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます