第12話 良くも悪くも

良くも悪くもという言葉をよく考える。

元々の意味とは使い方が違うかもしれないがよく頭の中で使う。

人間の体に良くも悪くもという言葉はすごくよく合っていると思っている。

病気を治そうとして熱が出る、なんていうのも良くも悪くもだと思っている。

最近野菜ジュースの味にも慣れてきた、これも良くも悪くもなのだ。

初めて食べた時にメチャクチャおいしい!と思ったものも何度も食べてる内に普通レベルに落ちてしまう、良くも悪くも味に慣れてしまうのだ。

前回の流れで叔父の話をもう一つすると、忘れられない言葉がある。

私はそもそも目つきが悪いようで、学生時代ただ席に座ってるだけで「何か怒ってるの?」と聞かれる事が何回か。

自分では普通にしているつもりでも周りの空気を悪くしてしまうのかもしれない。

そんな中、叔父の所で働いている時に言われた。

叔父はヘラヘラ半笑いで「そりゃあ、あんたは親戚だからこうやって来てもらってるけど、オレだって本当はもっとニコニコ愛想のいい人と働きたいよ」と。

その時は特に気にしてなかったが、何度も何度も頭の中で再生されるようになり、何かやらなきゃ、と思うたび思い出してしまう。

親ともうまくいかず、親戚ともうまくいかず、私は何なんだ、と。

そう考えてる内に良くも悪くも記憶が定着してしまうのだ、人間は。

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