第955話 冬の小さなお客様が残したもの

「冬だねえ〜」


 唯香は窓の外を見てしみじみ言った。


「え、雪が降っているから?」

「それもあるけど、ほら見てよ」


 庭の外を指差した。僕は、何のことかわからなくて目を細めた。


「見えない? 確かに雪が降ってるけどさ、庭を見てよ」

「あ、あれ?」

「野良猫の足跡だよ。可愛いね、雪だから消えるけどさ」

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