第33話 右の頬

車の助手席に座った。


エンジンの音がする。


スマホをカーオーディオに接続すると、

ふと、右頬に何かが触れた。


「なに?」


大輔の人差し指だった。


「何かがついてる。」


交際歴20年結婚して10年、

なんて事ない些細な事だ。


タイムスリップしたみたいに心臓が高鳴る。


「ニキビだよ!」


かなり見てるよね。

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