第7話 姉弟の嫉妬

「ずるい。颯汰ばかり。」


 紬が3歳年下の弟の颯汰にいつも言う。


「だから、紬が一年生の時も

 同じにしたの。ずるくない。」


 母は言う。


「それでもずるい。

 私も車で迎えに来て欲しい。」


 子どもにとって過去の話は

 今聞きたくない。


 今の話をしている。


 母は育て方を平等にしたい。


 その思いは叶わない。

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