その24・朝、目が覚めたら


ジリリリリリリリリ、、、、、

時計が今日も朝が来たことを伝えるように鳴り響いていた。




俺は気だるげな気持ちもあるが、手を置いてその時計を黙らせる。




今日は水曜日、仕事に行くのがピークでめんどくさくなる曜日だ、、、と思いながら、ベットから降りトイレへ向かう。




トイレに入り便座に腰掛け、ズボンを下ろした時に、俺は異常に気付いた。




無い、、、、

雄として象徴が、、、



さも、そんな象徴は元から無かったかのように、消え失せていたのである。




嫌な予感がして、俺は恐る恐る胸に手を伸ばすと、小さいものの柔らかい感触が手のひらに広がるではないか。




つまり、俺は、、、、、、



朝、目が覚めたら女性になってしまっていた。





怖くなった俺は用も足さずにトイレを出て洗面所に向かった。




俺は洗面台の鏡の前に立ち愕然とした。




「最悪だ、、、、、、、、、、、、






顔はそのままだ、、、、、、、、」




身体が女性になることに対しては、動揺こそしたものの、生まれ変われるならば、女になってみたいというのは男子全員が思ったことがあるとだろう。



俺も例外では無く、そこまで嫌では無かった。

むしろ、気持ち悪いかもしれないが、少し楽しみな気持ちもあった。





"しかし、顔が男のままというのは、あまりにも話が違うのではないか?"




とゴワゴワの肌で角張った顔を見ながら、俺はそう思う。




俺は寝室兼洋室に戻り、冷静に考えてみることにした。




顔はそのまま。

胸もあるが、大きいとは言えず、むしろ貧乳と分類される。

身長は元から160cmと低く、おそらく変わっていないと考えられる。

俺に恋人はいない。




多分、これからも特になにも変わらない日常が待っている。

との結論に至った。




そして、1ヶ月後、俺が出した結論は正解だったと確定した。




明日からも、よりやるせ無い日常を生きていく。

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