貞操逆転ファンタジー世界のヤリチン冒険者、王女に手を出しちゃってヤバい

伊藤着

第1話 訓練だからセーフ

 ああ、この世界ってやっぱり最高だな。



「シモン教官……!今日は、エスコートさせていただきます!」



 シモン・バルトロ 26歳。

 冒険者ギルド『黄金会』で働く冒険者。

 仕事内容は、主にモンスター討伐。たまにギルドの新人達に訓練をつけたりもしている。


 現在、俺の前にいる青髪の少女『ラズリ』も訓練をつけている新人の内の一人。

 今は彼女からデートのお誘いを受けていた。



「えーと、まずは、市場でショッピングして、それからレストランでご飯食べて、後は……おまかせ、したいです」


「りょーかーい」



 少女、ラズリの歳の頃は俺よりも10個近く下である。

 元々は現代日本に生きていた俺の常識からすると、通報されてもおかしくない組み合わせ。

 当然、こちらが捕まる方だ。


 けれども、大分年下の彼女は俺とのデートを望み、その上で『エスコート』をしたいと言ってみせた。

 それもそのはずだ、ここは現代日本ではなく。



 男女の貞操観念が逆転した世界なのだから。



「で、では王子。お、お手をお借りします……」


 ギルドの貧乏新人であるラズリだが、背伸びして買ったのか、今日は燕尾服のようなビシッとしたスーツを着ていた。

 そんな彼女は恭しく俺の前に跪き、右手をそっと重ねて『王子』などと俺のことを持ち上げてくる。

 言うまでもないが、俺は決して王子なんて生まれではない。

 元の世界で言うところの、女の子を『姫』というノリなのだろう。



「今日は、よろしくな」


 触れ合った、彼女の手。

 スベスベとして、それでいて柔らかい彼女の手のひらを撫でるように握った。


「……んひぃっ!」


 その感触にビックリしたのか、ラズリは身体を固くする。

 ……これくらいで驚いていたら、今日一日は持たないと思うのだが。

 大丈夫かな?


「……あ、あはは!よ、よろしくお願いします!」





 ◇




「し、シモン教官!良ければ、この宝石を貴方に送らせてくださいっ!」


 

 デートと言うことで最初に向かった先は、露店が立ち並ぶ市場。

 ブラブラと商品を見ていたのだが、宝石を見ていたところ急にラズリは言い出した。

 いくらなんでも、焦りすぎだ。



「いや、そんな金ないだろ?やめとけやめとけ」


「ルーキー大会の優勝賞金があります!それの半分くらい使えば、いけます!」


「おまえなぁ......」



 ギルドの新人たちの生活は、苦しい。

 食料や住宅はギルドから用意されるものの、訓練生の給料などたかが知れている。

 こんな宝石を買えるような余裕など、本来はないはずであった。


 しかし、ラズリは新人大会で優勝したことにより、賞金を得ている。

 現代日本換算で一千万円ほどの賞金を。

 その上で、その半分となる500万円ほどの宝石を送りたい、と彼女は言う。


 この世界の男は、女性から飯を奢られたり、贈り物を受ける立場ではあるが。

 男の俺からしても、彼女の行動は流石にやりすぎであった。


「今の内からそんなことやってると、将来苦労するぞ?」


「で、でも!シモン教官にはお世話になってますし!そ、それにこの後......」


「好きでやってることさ、気にするな」


 露天商からお手頃な宝石を買い取り、それをラズリに投げ渡す。


「ほら、優勝記念のプレゼント」


「あ、あわわっ」




 ◇



「ご、ごはんは!私がご馳走しますから!」


 市場から出た二人はレストランへと向かう。


「店はもう決めてるのか?」


「抜かりなく!事前に帝都で有名なレストランを調べてきました!ここです!」



 入りましょう!

 そんな言葉とともに、ラズリは店に入る。しかし。



「お客様、その、ご予約は、されてますか?」


「えっ?予約、ですか?」


「......一旦、でようか」


 田舎から出てきたばかりのラズリは、有名レストランには予約が必要なことを知らなかった。



「うう......、すみません」


「いいって、どこで食うかより、誰と食うかって言うだろ?」


「し、シモン教官!」



 レストランでの食事は早々に諦めた俺たちはベンチに座り、屋台で買った串焼きをゆっくりと食す。

 田舎から帝都に来たばかりのラズリにとって、完ぺきなデートをこなすなど不可能に近い。

 こうなるだろうことは分かっていた。


「それで......この後どうしようか?もう、満足したか?」


「......はい、付き合っていただいてありがとうございます、教官。......その、それでは、そろそろ......」


 恥ずかしそうに視線を落とす彼女を見て、俺は。

 思わず、勃起してしまった。

 ああ、やっぱりこの世界は最高だな。


 こんな可愛い女の子から、俺を求めてくれるのだから。


「じゃあ、一度ギルドに戻ろうか」


「は、はいっ♡」



 ◇




 なにをするにしても、建前は大事だ。


 この世界に転生した俺は、冒険者として活躍しギルドの幹部となってはいるが。

 数年前、ハメを外してヤリすぎた。

 貞操観念が逆転していることを良いことに、ギルドの女の子たちに手を出しすぎたのだ。

 それが結果的にはギルドの風紀悪化につながり、ギルマスには大変怒られることに。

『ヤリチンでもいいけど、人に迷惑をかけてはいけません!』

 と敬愛するギルドマスターに怒られたときは、流石に凹んだ。


 そう言った経緯があり、理由もなく俺から女の子を誘うことは辞めるようにしている。

 風紀が悪化するくらいなら、そのほうが良いだろう、と。

 頭では、そう分かっていた。


 しかし、俺の股間はもうセックス漬けの日々に慣れ切っている。

 今さら、潤いのない生活など耐えられない。

 たまにはご褒美がほしいのだ。


 だから、セックスではなく、指導だと。

『魔法の素養を伸ばすための性魔術を使用した訓練』であると。

 そう言う建前で、大会に優勝した女の子限定で『特別な訓練』をつけていた。


 まるで、元の世界の風俗店で『売春でなく自由恋愛』だからセーフと言い張るような話。

 ではあるがギルマスも、モチベアップになるから。と了承済み。


 俺によし、ギルドによし、女の子によし。

 素晴らしい制度、そして素晴らしい世界だよ、全く。



「き、教官。これで、いいですか?」


「うん、いいよ。……じゃあこれから、特別訓練を開始する」


「は、はいっ!」



 ギルドの部屋に連れ込まれたラズリは、着ていた燕尾服のズボンを脱ぎ、下半身だけを露わにする。

 スーツの女の子って逆にエロくて好きだ。

 せっかくだから、このままヤルことにした。

 きっと汚すだろうから、後で弁償しよう。



「特別訓練だけど、ラズリに求めるのは一つだけ。これから愛撫するから声を出さないように耐えるんだ、良いね?」


「わ、分かりましたぁ……♡教官、では、耐えきれたら、……処女、貰ってくれますか?」


「もちろん」



 前世ならば、こちらから土下座してでもお願いしたいような相手。

 そんな彼女だが『性欲が強い』という理由で、この世界の男の子達にはモテなかったらしい。

 俺からしたら彼女を避ける意味が分からないのだが、そのお陰で抱けるのだからありがたい話だ。



「じゃあ、いくよ」


「……あっ♡」



 彼女の太ももをサワリと撫であげる。

 本当にこの世界の女の子は性的に弱い子ばかりで、指先一つで昇天しそうな奴で溢れている。

 だから、彼女が耐えられるように手加減しないといけない。

 俺のちんぽも、限界だしな。



「頑張れよ、ラズリ」



「は、はひぃ♡んっ♡あっ♡」





 その後、白みを残す夜空が真っ暗闇に変わるまで、彼女の身体を弄んだ。





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