973
代金を支払うと、君達は神殿の一室で待たされる。スターアローも一緒なので一般の待合室は使えないそうだ。
「まぁ馬を入れる事を想定して治療室は作ってないだろうからよ」
スターアロー本人もそう言って納得はしていた。
やがて部屋に大神官のナターシャが来る。
ちょっと驚く、君とスターアロー。
「おやま、一番偉い人が診て下さるのかい」
「私が一番手早く済ませる事ができますので」
眉一つ動かさず、当然のように言うと、彼女は君の傷に手を当てて呪文を唱えた。ほんの一、二言小さく呟くだけで、彼女の掌に生じた魔力の輝きが傷を塞いでゆく。
同じように、スターアローの傷もあっさりと塞いでしまった。
「では、これで。次の患者がいますから」
治療が終わると軽く一礼し、ナターシャは部屋を出ていく。
・君とスターアローの【戦闘力】と【生命力】を最大値まで回復させること。
神官に出口へと案内されながら、スターアローは呟いた。
「大神官どのはあの若さだが実力は本物だな」
「はい。教団始まって以来の神童ですから。毎日、最も多くの患者を手当てされていますよ‥‥」
どこか歯切れ悪くそう言いながら、神官は神殿を出る君達を見送った。
https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075665728592
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます