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 吹き付ける風が君をなぶり、目を覚まさせた。

「起きてくれたか。際どい所だったぜ。寝ているお前さんを落とさないようにここまで逃れたのは、我ながら頑張ったもんだ」

 軽口を叩くスターアロー。


 君達は樹海の遥か上空にいる。

 そして漆黒の天馬ペガサスと向き合っていた!


『せっかく天国の中で逝かせてやれたのに‥‥面倒な奴らね』

 黒い天馬ペガサスが女の声で苛々とこぼした。

 君はこいつの幻術にかけられていたのだ。


 敵を睨みながら説明するスターアロー。

「あれは夢魔の一種、ナイトメアって奴だ。お前さんを眠らせておいて、俺に襲いかかってきやがった」


 眠っている騎手など足手まといでしかない。だが捨てれば敵に殺されるだろうし、敵の幻術の範囲から出なければ目覚めもしない。

 だから君を乗せたまま、スターアローは高空へ逃れたのである。それだけのスタミナが残っていなければ二人まとめてやられていただろう。


 だが目覚めた以上は仕切り直して戦う事ができる。

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076844933038

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