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 女性が水浴びしているのを見ていると、君も体がむず痒くなってきた。樹海の中での緊張や戦いでずいぶん汗をかいている。

 君はスターアローから降りると、おもむろに鎧を外し、服も脱いだ。

 呆気にとられる女性を他所に、湖に入って水を浴びる。


 澄んだ水が体を洗い流し、実に心地よい。

 ついでにスターアローへ、こっちにきて一緒に水を浴びるよう指示した。

「俺もかよ。まぁこんな機会もそう無いからな」

 そう言ってスターアローも湖に入る。


 その声を聞き、女性は目を丸くした。

天馬ペガサスを見るのも初めてだけど、喋る事もできる子のなのね‥‥触ってもいい?」

 興味深そうに言う女性。

 許可を出すと彼女は嬉しそうに近寄ってきて、スターアローの首を撫でる。

「素敵ね‥‥こんな子と旅をしているときっと楽しいでしょうね」

「ま、こっちとしちゃ面倒見るのも大変だがな」

 軽口を叩くスターアロー。

 彼を君は軽くこづいた。


 しばし皆で水浴びをするうち、すっかり打ち解ける。

 文字通りの裸のつきあいが警戒や不信も洗い流してしまった。

 十分に体をすすいでから、君達は岸にあがる。


 君が服を着て武具を身に着けると、女性も‥‥鎧を纏い、剣を腰に帯びて。

 水浴びの最中、君は気づいていた。

 女性は色白で細身ではあったが、肌の下の筋肉にたるみは一切なく、しなやかによく発達している事に。

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093076607778925

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