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 街道に沿って一路南へ。

 やがて君の前方に大きくもごちゃごちゃした都市が見えてくる。


 街を囲む壁は薄汚く、壁の外にも小さな小屋が密集していくつも区画を作っている。中の建物も大きさや形がばらばらで、計画性という物が全く無い。

 

 街に近づくと大勢の人が中にも外にもいるのが見える。しかし奇麗な身なりをした者は見当たらない。

 空を飛ぶ君とスターアローを物珍しそうに見上げているが、その視線にも値踏みするかのような意を感じてしまう。



 君達は街の門の前に降りた。

 周囲の、壁の外のあばら家の陰から無数の視線が窺っている。

 門番の兵士は仕事中だというのに酒を飲んでおり、君達が目の前に来てもしばらくぼんやり眺めていた。


「酔って寝ちまったか、俺?」

 そう言って門番はぺちぺちと自分の頬を叩く。

「だったら目を覚ましてくれ。空を飛んで喋る馬と、それに乗っている奴の相手をするためにな」

 スターアローがそう言うと、門番は跳び上がらんばかりに驚いた。



 君達が命華草ライフグラスを探す冒険者で、それを入手した時に買ってくれる者を探している――それを聞いて門番は何度も頷く。


「まぁそういう事なら自治会長様に会ってみな。あの方の屋敷まで、地図は書いてやるからよ」


https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075673123443

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