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 街道に沿って西へ向かう。やがて君の前方に、白い都が見えてきた。

 街を囲む防壁も、その向こうの街並みも、その中にいくつもある寺院も、白い壁がやたらと多い。使われている石材の関係だろうか。

 街への街道を歩く人にも、僧服を着ている者が多い。

 

 街に近づくと、その最奥にある大きな神殿も見えた。かなり古めかしい様式で、白い石柱が何本も並び、四角い天井を支えている。

 街の正門から神殿までは広く大きい道が一直線に繋がっており、その神殿こそが街の主である事を無言で主張していた。


 その神殿のさらに向こうには大きな丘があり、無数の墓石が並んでいる。おそらく霊園になっているのだろう。



 君達が街に近づくと、道行く人々は驚きの顔で見上げる。

 よくある事なので意に介さず、正門の前に着地した。

 門番達も驚いて、慌てて槍を構えるしまつ。


「おいおい、珍しいからってそりゃねぇだろ」

 呆れながらも不満を漏らすスターアロー。


 それを聞いたからでもなかろうが、門番達の間をぬけて中年の僧侶が君達の前に立った。

 彼も驚いてはいるようだが、平静を保とうと努力している事は覗えた。

「風変りな旅人よ、この神聖都市サクレッドに何用か。やはり病の治療であるかな?」


 君はそうではないと告げ、命華草ライフグラスを探す冒険者だと自己紹介し、この街はそれを買ってくれるかどうか知りたいとも言った。


 すると僧侶は「ふむふむ!」と呟き、君を少しの間、じろじろと眺める。


「大神殿に案内してみよう。興味をもたれるかもしれぬ」

https://kakuyomu.jp/works/16818093075655425577/episodes/16818093075665533664

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