腐男子で副会長な俺が会長に恋をした【BL】

かしあ

副会長は演技中1.

「凪、職員室のついでにこの書類を風紀室まで持ってってくれ」


「それぐらい自分で持っていけばいいでしょう?」


「俺はまだ終わってない書類があるからよろしく頼むな。あと届けたらここに戻って俺に報告しろよ?」



ドサッと俺の机の上に置かれた書類に思わずため息が出た。


はぁー本当は書類を届けたらそのまま帰って届いてるはずのBL漫画の開封式をしようと思ってたんだけど。

拓実の言葉に少し腹が立ったので乱暴に生徒会室のドアを閉め風紀室に向かう。


俺は咲良凪(サクラナギ)、高校2年生で腹黒副会長を演じているバイの腐男子だ。

趣味はもちろんBLカフェ巡り、BL漫画小説を読むこと語ること、この学校でカップリングを妄想すること。


そんなBLを楽しむ為だけに入学してきた俺がなぜ腹黒副会長というめんどくさいキャラを演じることになったのには理由がある。

王道を知ってる方なら分かるだろう。


抱かれたい、抱きたいランキングがこの学校には実際に存在し、それに選ばれたのが今の生徒会メンバーだ。

そしてなぜか抱きたいランキング1位に選ばれたのが俺、そして抱きたいランキング1位の人は副会長に任命される。王道の副会長といえば腹黒敬語キャラ!!という理由で腹黒副会長を演じててるんだが…最近は演技がめんどくさいのが本音。てかもう腹黒じゃなくて普通の敬語キャラ演じているだけな気がしてるわ。


あーあ俺本当は生徒会なんて入らないで静かにBLウオッチングしたかった。

いやさ、抱きたいランキング1位が副会長に任命されるのはわかるけどなんで俺だったのか未だに謎。


俺の身長は179cmと標準よりも大きいし、足が長いだけで普通体型だし目はパッチリ二重だけど鼻高くないし、美人や可愛い系の顔ってわけでもなくどこにでもいる平凡顔なんだけどな…。


そんな奴を抱きたいって物好きすぎるわ、俺に票入れたの誰だよって日々思ってる。しかも俺はバイだけどネコではない。好きな人がタチがいいっていうならネコをやるかもしれないが基本はタチだ。

なので大柄な平凡が攻めにあんあん言わされ犯されるのは俺以外でお願いします。

萌えるんで!!


あーガチムチ受けとかもいいなーそんで攻めは華奢な爽やか王子!!

こんな細くて弱そうな奴に組み敷かれるわけないと思って攻めを襲うが返り討ちにあって逆に襲われたガチムチのお話最高だ。

あーこの学校にそんな理想的なカップルいないかなー。



「あーナギナギ発見ー!会長が探してたよー!」


「ナギナギ、仕事サボり?」


「…サボっていませんよ、職員室と風紀室に行っていました。拓実はその事を知っているはずなのですが…」

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