29
サブローと青田と食堂に行った。
三人そろったはちょっと久しぶりだ。
サブローにボーカルレッスンの話をした。
「いい子は居たの?」
「居なかった。」
「じゃあ行っただけか。」
「ううん」
「通うのか?」
「そう」
意外だという顔をしている。
青田も思わず俺を見た。
「声を出すのは楽しいよ。」
さらに意外だという顔をする。
青田は固まっている。
「女性関係なくか?」
「まあね。」
ハンバーグを箸で切りながら考えている。
「趣味が出来たな。」
「そうなるかもしれない。」
「本当ですか?」
普段、ふたりの会話に話を挟んでくることのない青田が聞いてきた。
よっぽど俺は無趣味でおんなのケツばかり追いかけていると思われているんだな。
まあその通りだからしょうがない。
「びっくりしたか?」青田に聞く。
「趣味が出来るのはいいことだと思います。」
「青田も来るか?」
「私は大丈夫です。」
飲み会も期待していることは敢えて言わなかった。
ここは少しいいやつぶっておこう。
「いつから行くんだ?」
「今度の日曜から。」
「英語は?」
「ああ、あれはちょっと休むことにした。」
「今度は長続きするといいですね。」「失礼いたしました。」
青田に皮肉を言われてしまった。
成島のくせがうつったか。
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