28

あこちゃんに会った。

「ボーカルレッスンって1対1でやるんでしょ。」

「それもあるし、グループレッスンというのもあるの。」

「グループレッスン?」

「そう、といっても4,5人だけど。」

「あこちゃんはグループレッスン?」

「私はひとり。でもなみちゃんは、、あ、ごめん。」

「気にしなくていいよ。」

グループレッスンかあ。そっちの方がチャンスがありそうだなあ。

週末体験レッスンを申し込んだ。

英語の会とぶつかる。

英語の会は、しばらく休みますと連絡を入れた。

また数か月後には新しい子が入っているかもしれないというかすかな期待を残して。


体験レッスンは、グループレッスンにした。

おじいさん、おじさん、俺、おばさんふたり、若い子の6人だった。

若い子は、とてもおとなしくて歌なんか歌うのかというぐらい声が小さかった。

がっくりきた。

まあまだ体験だから。


それでも発声練習とか、ちょっとした合唱とか英語の会と違って声を出すというのはいいもんだと思った。

終わった後は結構満足感があって自分でも驚いた。


実際のグループがどうなるかはわからない。

この人たちと一緒というわけではないだろう。

でもグループレッスンは楽しいな。意外にも気に入ってしまった。


年に数回は飲み会もしているというし、チャンスはそっちでなんとかしよう。


入ることにした。


あこちゃんに話したら、かわいい子が居たの?と聞かれた。

そうじゃなくて、楽しかったよと伝えたら、本当に?と疑われた。

まあ飲み会も目的のひとつだけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る