24

飲み会はあこが音頭を取って始まった。


場所は部署ごとに固まってしまい、彼女は遠かった。

最後まで席替えはなかった。


飲み会の主導は徐々に先輩たちに移り、そのターゲットは、かの新人君だった。


俺の出る幕はなかった。話をすることさえできなかった。


両隣のサブローと成島、前の森山さん、その隣のあこと結局、5人だけの飲み会みたいになった。


ある程度は予期していたけど、こう露骨な結果になるとは。


サブローに嗤われた。


どうすることも出来ないよ。


むしゃくしゃして飲みすぎた。


森山さんは酒が入ると陽気になりよくしゃべった。


まさか森山さんの相手をする飲み会になるとは。


うまくいかないものだ。


先輩たちは二次会に行こうと威勢がいい。


俺たちは辞退した。


森山さんは行く気満々だったが。


森山さんが心配だとサブローが言って引き留めた。


4人で帰り、ちょっと酔いを覚ましましょうとあこが心配して

カフェに寄った。

カフェでも森山さんはよくしゃべった。

何か溜まっていたのだろうか。

普段はしゃべらない青田のことまでしゃべりだす。

「青田さんはどうしていつもああなのでしょうか。」

ああ、困った子だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る