12

ひとしきり真面目な話をしたあと向こう側へ移動した。

学生っぽい子に話しかけようと近づいたら、その前にFUMIKOおばさんに声をかけられた。


「どうですか。慣れましたか。」

「はい、まあ少しだけですけど。」

タッチの差で、学生っぽい子は別の人と話を始めてしまった。

仕方なくFUMIKOさんの相手をする。


ところが話をしていたら、学生っぽい子の方から会話に参加してきてくれた。

別の人はどこかへ移動したようだ。

YUIと名札には書いてある。


「ゆいちゃんももう1年になるんだっけ?」とFUMIKOさん。

「はい、あとちょっとでちょうど1年です。」

「早いねえ。だいぶ上達したわよね。積極性があるもの。」

YUIちゃんはニコッと笑う。チャーミングだ。


「今日もしゃべられてましたね。内容は不勉強でよくわからなかったですけど。」と俺も話に加わった。

「私の英語がだめなんです。なんか長い文章が苦手なんです。」

「全然そんなことないと思いますよ。」

まあ基本的に英語に関する真面目な話になる。

ちょっと脱線したい気もするが最初からそれはハードルが高い。

というかみんな真面目だ。

こういう会に参加する子は真面目な人が多いのだろう。


まだ時間がある。

ふたりとの話の間ができたタイミングで、隣に移動した。

年齢不詳の人だ。

年のいった老人男性と話をしている。

なんとなくふたりの話を聞いているそぶりをしたら、女性の方から声をかけてくれた。

基本みんなフレンドリーで、どこへ行っても話の輪に入っていい感じだ。


「最近来た方ね。」

「はい。」

やはり落ち着いている。声もしっとりしている。

でもなんだろう。恰好が若いし雰囲気もそこまで年を取っているような感じがしない。不思議だ。

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