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おばさんとの会話が途切れたタイミングで清楚系とおじさんのふたりの間にそろそろと移動した。
今日初めてなんです。とどちらともなく挨拶をした。
ふたりが俺を見て、おじさんが反応する。
まあ予測通りだが。
おじさんが自己紹介をした。
俺も簡単に紹介し、清楚の方を向いた。
ここのメンバーはそれぞれ大きめのローマ字の名札をつけている。
俺も入り口で書かされた。
俺のはKITAJOと書いた。
清楚な子の名札にはMOROZUMIと書いてある。
「モロズミさんは、長いんですか?」
ちょっとはにかんだようなそぶりをして
「ちょうど1年ぐらいです。」と答えてくれた。
ソフトな声だ。
「ずっと英語で進行するんですね。」と返した。
うんとうなずく。
おじさんが引き取ってしまう。
「なるべく発言した方がためになります。無理やりでもいいんですよ。」といらぬアドバイスをし始めた。
「そうですね。習うより慣れろ方式ですね。」
「そうそう。」とうれしそうだ。
結局モロズミさんとは会話らしい会話は出来ずおじさんと話しただけで休憩時間は終わってしまった。
向こうに見える彼女の名札にはくねくねっとした字で、YOSHIMIと書いてあった。
さっき先生からはミス・ヨシミと呼ばれていた。
上の名前だろうか、下の名前だろうか。
最初に話したおばさんは、FUMIKOとなっていたので、どちらの名前でもいいようだ。
入口ではみんなが名前を呼べるようにと渡されただけで苗字にしろとか下の名前にしろとかは言われなかった。
よしみか。
いつよしみさんと話せるだろうか。
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