ドルヲタサブロー外伝３

1

去年の新人は、森山と言って、名波さんとは似ても似つかない真面目な子だった。

人事にかわいい子が入ったけどなんとひも付き。

ということで今年こそ名波さんクラスが来ると期待した。

ふたを開けたら男だった。なんだよう。ほかの部署の情報をあこちゃんから聞き出す。

経理に美人が入ったという。女子のいう美人というのはあてにならないけど、一見の価値あり。

さっそく用事もないのに経理の同期のところへ顔を出した。

「ようひさしぶり。」

「なんだよ急に」

「たまにはいいだろ？」

「調子よさそうだな。」

「そうでもない。」

と言いながら新人はどこか？なにげないふりをして見回す。

見当たらない。

「新人は配属されたか？」

「ひとり。」「そうか。そういうことか。」

「そういうことって？」

「美人だからさ。」

「美人なのか？」

「ほらね。」

「居ないみたいだな」

そいつは首を振りながら向こうのほうへ歩いていく。

どこかで打合せでもしているのだろう。

仕方ない出直そう。

と思い出口に向かう途中で出くわした。

多分この子だ。ほほう。

なかなかの美人だ。

ちょっとびっくりして声をかけ損ねた。

なるほど。今度チャンスを作らなきゃ。