⑭泥棒猫

「絶対に、渡さない・・・」


恋は盲目。


狂おしく。

爪を立てる。


渡したくない。

渡すものか。


愛する人を。


そう。

愛してしまったのだから。


※※※※※※※※※※※※※※※


第1話 沈む横顔


時折見せる。

貴方の仕草。


俯いた顔が切なくて。


後ろから。

抱きしめたくなる。


でも。

ぐっと、我慢する。


貴方に。

嫌われたくないから。


今も残る。

貴方の中の残像に。


負けるものかと。


思う私は。

愚か、なのでしょうか?


※※※※※※※※※※※※※※※


第2話 知っていながら


お前の気持ちは。

気づかない筈はない。


むしろ。

その、くすぐったい温もりを。


僕は。

ずるく、味わっていた。


ごめん。

ごめん。


何度も心の中で。

あやまったけど。


それなのに。

お前は。


仔猫のような瞳で。

僕を見つめてくれるのだね?


※※※※※※※※※※※※※※※


第3話 ひどいよぉ・・・


船を降り立った時。

貴方は優しく肩を抱いてくれていたのに。


埠頭で佇む。

アイツを見つけた瞬間。


貴方は。

貴方ではなかった。


去った腕の温もりの代わりに。


寒さが。

私の肩を凍らせた。


アイツを見る。

貴方の綻んだ口元に。


私は。

私は。


叫んだのです。


そう。

無意識に。


※※※※※※※※※※※※※※※


第4話 慟哭


「ど、泥棒猫ぉっ・・・!」


埠頭に私の叫び声が。

空しく響きました。


「ひ、ひろぶみ・・・」

あの人、大久保利通が狼狽えた表情を見せています。


私の両手は。

ギュッと握りしめて。


あの人と。

アイツを。


睨みつけていたのです。


※※※※※※※※※※※※※※※


あとがき


さあ。

どうなるのでしょうか。(笑)


何だか。

僕自身も。


続きを読みたくなってしまいました。


しぶとく続くシリーズ。


ごくごく。

一部のファンの皆様。


いかがでしょうか?


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