ゴブリンのレン

犬時保志

第1話 プロローグ

 創造神は今日も暇潰しに、天界の水鏡で地上を眺めている。

 アロハシャツに短パン、およそ威厳のない服装で避暑地のナンパ兄ちゃんと言った容貌の創造神は怠惰に寝転んでいた。


『おりょ?珍しいゴブリンのメス・・・ゴブリンには見えんな、顔色の悪いエルフの赤ちゃんにしか見えん、珍しいのう!あの容貌ではイジメられ他のゴブリンに殺されるかも知れん』


 創造神は己の加護を授け、更に不安になり運の数値を有り得ない99000に上げてしまった。


『手が滑って0が二個余分に付いたが・・・ま、良いか・・・しかし捕らえられゴブリン娘を出産させられた、この冒険者も哀れじゃが、成人した者には儂の加護しか授ける事しか出来ん・・・はずじゃが?力も授ける事が出来た、この冒険者成人して居らんのか?では速さも最高値に上げて置くか、ついでじゃ!防御も最高値が良かろう』

 

 娯楽対象に与えた非常識な物ではなく、哀れんで与える物、人の持てる最高値999に上げて置いた。

 創造神にとっては軽い気持ちだったが、力と速さそれに防御が人類最高値になった冒険者は、どうなるのでしょう。

 


 ゴブリン娘を見付けた大森林とは都をはさんだ反対方向、樹海が気になり水鏡で覗く神だった。

 樹海にも人形ひとがた魔物が多い、神は視界を移動させて行った。


『おぅ!これも珍しい、ケトシの亜種ケトル族の突然変異か?ケトル族はより人に近い、毛むくじゃらの人と言った容貌じゃが、これは殆んど人間じゃ!ネコ耳じゃが人と容姿が同じ・・・種族と容姿が少しでも違う者は迫害を受ける、ここまで違うと追放される?』

 神の加護を与え、この娘は知力を通常最高値の十倍9900に上げて考えた。


『ゴブリン娘とケトル娘が出会うよう運命付けるか・・・運と知でウンチコンビ・・・プッ!グワッハッハ!』

 自分で言った低俗なギャグにまって笑い続ける創造神だった。

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