死神物語〜平凡以下の少年は世界を救う〜

くろこんぶ

第1話 ぐだぐだ

「神田湊。君には死神になってもらうよ。」

「……ゑ?」

 ♦♢♦♢

「みなとぉ~起きたくないよ~でもちこくするよぉ~」「じゃあ起きろよ!」

 俺の名前は神田湊。プレイヤー育成高等学校の生徒で、今横で寝ぼけてるバカ、

空舞裁斗の幼馴染だ。なぜ俺の横でこいつが寝ているのかと言うと、俺は中学3年

生の時に、家族で乗っていた車が事故ってしまい両親と弟が亡くなり、俺だけ生き残ってしまったというわけだ。当時は相当気に病んでいたが、こいつやこいつの家族の人たちのおかげで、立ち直っていくことができた。んで、一人暮らしするのもなんだし、親戚の人たちも俺みたいな無能なんていらない!って言ってたから、拾ってもらった。そう、無能なんだ。

この世界には、魔術というものが存在する。魔術は、基礎魔術、固有魔術、固有魔術を極めた覚醒魔術、固有魔術と固有魔術を掛け合わせた複合魔術がある。固有魔術は、大体11歳から12歳ぐらいの小学6年生までの間に発現する。しかし、俺は高校二年生になっても発現しない。ましてや、スキルすらも獲得できないもんだから、

無能、平凡以下のごみ等の罵詈雑言を同級生や親族から言われる始末だった。でも、俺には、プレイヤーになる夢をあきらめきれない理由がある。

2000年代に突如として現れた謎の建造物、ダンジョン。そのダンジョンを攻略するために現れた存在がプレイヤーだ。プレイヤーの素質があるものは、魔力が発現する。魔力量だけは自身の努力量に比例し増えていくため、だれでも増やすことが可能なものだ。もちろん、スタート地点には個人差があるが。

とまあこんな風に、魔力以外鍛えることのできない俺は、基礎魔術以外打てないわけだ。しかも、基礎魔法は威力がなかなか変わりずらい。発動時間に多少の差はあれど、どこまで行っても基礎は基礎ってことだ。魔力しか鍛えられないおれは、おかげさまで魔力量と魔力練度は世界トップレベルになった。だが、固有魔術がなければ、魔力だけの雑魚というわけだ。


俺がプレイヤーになることを諦められない理由は、死んだ弟の夢だったからだ。

弟は本当の天才で、5歳の時に固有魔法が発現。その固有魔術は氷を操る、固有魔法「氷凍」という魔法。それに合わせ、魔力量にも恵まれた逸材だっただが、どんなに天才であれ、不慮の事故には対応できなかった。そして、あいつは俺を守って死んだ。その弟が最期にはなった言葉が、「いつかきっと、最強の魔術師になってね。兄ちゃん、僕の夢、かなえてね。」だった。こんなことを言われたら、兄として、人として、叶えるしかない。だから俺はいま夢をかなえるために学校に通っているのだが……「やっべ遅刻する!なんで起こしてくれなかったんだよ!湊!」「いや、起きてただろお前!二度寝すんな!」

こんな感じでぐだぐだである。とりあえず、今日も一日頑張っていこう。


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