作品12:『津軽海峡、空景色』 海猫・著
抽選日時:10月27日15時
応募総数:48
有効応募数:26
※今回は優先枠です。抽選日時点で☆0だった6作品の中から選ばせて頂きました。
津軽海峡、空景色
海猫
https://kakuyomu.jp/works/16818093086698874175
全1話 完結作品
12092文字
ジャンル:歴史・時代・伝奇
この作品を一言で表すなら、第二次世界大戦の裏側で起きていたアナザーストーリーです。
作品のイメージとしては、『永遠の0』だと思えば分かり易いかも知れません。第二次世界大戦が終結し平和を取り戻した日本で、戦争を知らない新たな世代が、父母、祖父祖母などの足跡や過去を知り、そこに踏み込んでいくといった物語です。『永遠の0』は歴史に興味を持った主人公が自主的に過去を調査するのに対して、本作は嫌々巻き込まれていくという点が、最も大きな違いでしょうか。
物語は、主人公が母と一緒に、汽車に乗って青森へと向かうシーンから始まります。戦争から戻った父親の、仕事の都合による引っ越しです。この辺りは「自主的に何かをする」という訳ではないため、起承転結の始まりの部分として、今ひとつ何の話か分かりにくく、少し取っ付きにくいと言いますか、話に入りづらい印象がありました。特にこの物話には承の部分がなく、目的のないストーリー展開になってしまっています。『永遠の0』のように、主人公に明確な目的を持たせて話を進めていれば、引き締まったストーリーになったかなと思います。
物語の本題は、作品の中盤を過ぎた辺りから始まります。冒頭に出てくるソ連のパイロットに興味を持ち、その人物を調べるようになります。パイロット本人の書物、父親の手記などから、やがて自分自身のルーツを知るという展開です。
全体的な印象としては、とてもふわっとしていて明確に描かれていない、掴みどころのない作品のように感じます。途中に幾つかの疑問点が出てくるのですが、その一つ一つに明確に答えず、もやっとした気持ちのまま終わってしまいます。文章的にも同じで、通常は句点「。」で閉じなければいけない文章が、読点「、」のまま終わってしまっている部分が多く、結論を出さない曖昧な作者なのかなと。文章全体は読み易いのに、話の構成を敢えて複雑化して、結果的に分かりにくくなっただけに見えます。もっとシンプルに分かり易く、を意識すれば、より多くの方が楽しめるのではないでしょうか。
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