作品8:『青い光の海でさよなら』 囀・著

抽選日時:7月1日 朝7時

応募総数:49作品

有効応募数:23作品


※『鹿追い、山駈け、盗賊と出会う/塩庭 匿』という作品が候補でしたが、削除されたようでURL先が消えてしまっているため、再抽選を行いました。


再抽選日時:7月14日 朝6時

有効応募数:22作品


青い光の海でさよなら

https://kakuyomu.jp/works/16818093073930881908


全1話 完結作品

8066文字

ジャンル:ホラー


 この作品を一言で表すなら、地獄に落ちた男の「ざまぁ」の物語です。


 序盤は主人公の目線で、後半は別キャラの視点なのか三人称なのか、少し視点が分かりにくくなる物語です。ここは個人的には、一貫した視点で描かれている方が読み易いと感じます。例えば最後の部分は蛇足であり、必要なかったかなと思います。

 物語は、記憶を失った男性が、どこかに連れて行かれるシーンから始まります。何者かに船で運ばれている、という時点で概ね想像がつきますね。そしてその通りの展開になります。獄卒に殴られたために一時的に記憶を失っていますが、三途の川の渡し守、のような存在のキサラギ……実際には閻魔庁地獄課に勤務する職員から説明を受け、自身が殺人・強姦の罪で地獄に送り届けられると知ります。そしてその罪を自覚させた上で、罰が与えられるといった内容です。とてもシンプルな、ややもすれば童話でも通じる物語です。

 ジャンルはホラーになっているのですが、殺人犯の心境と半生を描く、人間 (現代) ドラマのような作品です。主人公のキャラ設定が質問ばかりする男で、渡し守キサラギからもウザいと言われるのですが、本当にウザいですw セリフの大半に疑問符が入っていて、これから罰を受けるというシーンでは「ざまぁ」と感じる人も多いのではないでしょうか。そのような意味でも、とても童話に近い内容なのかなと感じます。言うまでもなく、犯した罪に対する罰を、という部分も童話そのものです。

 ここまでの物語は大変分り易く、先述の通り何を描きたいのかも明確です。ただ、その後の結末部分 (蛇足部分) は、何度読み返しても、結局何が言いたかったのか理解出来ず、腑に落ちません。地獄に送る獄卒も大変なんだ、とでもいう話なのでしょうか? 起承転結の結末部分が弱く、少し残念な印象を受けました。もっとテーマ、描きたいものを明確に、ラストまで一貫していれば、より良くなるのではないでしょうか。

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