間章1
「……《
戦闘訓練を終えた《
「違う違う。ほら、リッカの刀、この前アイツ……《羽根狩り》にへし折られたじゃん?」
黒縁の眼鏡をくいと指で押し上げながら、黒い髪の少女が明るく答える。
《
「うん。あのヤローに折られちゃった。でも、《落とし羽》は回収したから」
「こっちの勝ち、ではあったけどねー。ただ武器が無いとやっぱ不安っしょ?」
「別に……。《
《
《
《
「ダメだぞー、《
故に、武器の携帯は必須である──と、
《
「
「うんうん。で、話は戻るけど。新しい刀──その刀銘が《
「開けてみ。リッカにしかそのケース開けないらしいから」
「そうなの? お誕生日プレゼントみたい」
「いや誕プレは本人以外開けないだけで誰でも開けられるじゃん……」
「でも……本人以外は開けたらダメだから」
「うん、だよね、だよね! じゃあそのエラい人達からの誕プレをささっと開けてね!!」
戦闘中は年齢不相応に
(《
「
「プレゼントボックスじゃないんですけどぉ……。ほら、こことここの金具をパチンって外して、んで鍵はリッカの指紋を認証したら開くらしいから、次はここに指当てて──」
手取り足取り
「わあ……。これが──《
「キレイ……工芸品かと思った」
《
その刀身──漆黒の
工芸品と称した
「……! 軽い。羽みたい」
「え、マジ? ケース込みで超重たかったんだけどな」
所有者たる
だが《
「でもすっごく軽いよ、これ。こっちの
「ううーん、そうなの……? まあじっちゃんが死ぬ気で打った刀らしいし、実際に持ったら超軽くなる細工でもしてんのかなー」
「じっちゃん?」
「あ、そうそう。これ、《
「し、知らなかった……。前の刀、折っちゃってごめん……」
「いや、多分一般支給される刀剣はじっちゃん関係ないと思うし、そもそも折ったのは《羽根狩り》だからリッカは悪くないって。それより、《
「……不思議な感じ」
「不思議? ってーと、つまり?」
「ええと、その……不思議な感じ」
「あっ これ一生ループするやつだ」
だがもどかしそうに、どうにか
「その、あの、ピタッと吸い付く? みたいな……。これこれ~! みたいな……」
「アレだね。今日会ったばかりなのに、まるで昔からの友達だったみたいな感覚だ。前世の縁で、今世の相棒で、来世でも盟友ってわけだ」
「そう、それ!」
「ほんとかよ」
「……これ、わたしがもらっちゃっていいの?」
「もらうも何も、リッカ専用の刀なんだって。ただ……」
「ただ? タダでくれる?」
「そっちのタダじゃねっつの。なんかさー、じっちゃんがアタシに変なこと言ってたんだよね。ぶっちゃけじっちゃんってかなり偏屈だから、適当に聞き流したんだけど──」
「?」
視線をあちこちに
──《
だからこそ、
「──《
ある刀鍛冶が、己の人生において
今より
『敵』を、斬り断つ
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