Digital13.降霊の魔導士

 俺とイザナは急いで白夜の方へ向かう。

 まさかアイツがそんな過去を持っていたなんて……!

 俺とイザナは急いで白夜の方に向かう中、イザナは悔しそうにつぶやく。


「噂を聞いてヤバい奴かと思っていたけど……まさかそんな過去があったなんて!」


 俺はイザナの事を縦に振る。

 アア、俺も最初は関わらない様にしていたけど、その話を聞いて助けたくなってきたぞ!

 俺は一つの思いを燃やして向かう。


「頼む……間に合ってくれ!」


 俺は背筋に冷や汗を流しながら、ティラニカル・ブラック・フォックスの方に向かっている白夜の元に向かう。




 クロードとイザナが白夜の元に向かい、その白夜がティラニカル・ブラック・フォックスの方に向かっている中、茶髪先輩は二人の生徒を連れて下層に続く階段に進んでいた。

 茶髪先輩は頭を掻きながらボヤく。


「ったく、あんな化け物がいるなら注意表示しろっての……」

「まぁまぁ、確かにあの化け物は正直ビビったけど、こんなにスゲー写真取れまくったから良いんじゃね?」


 二人の生徒の片方が、茶髪先輩をなだめながらスマホを見せる。

 そこに映っているのは、さっきまで見回ってきた写真を嬉しそうに見せている。

 その中でティラニカル・ブラック・フォックスも映っている。その写真を見た茶髪先輩は顔を渋りながら言う。


「お前そんなのを取っていたのか? 趣味ワリィな~」

「そうか? こんなのを撮ればめっちゃ有名になるんじゃね?」

「オッ、そりゃいいな~!」


 茶髪先輩は生徒の肩に手を回しながら言う。その中でずっと黙っていた生徒が口を開いて聞く。


「……そう言えば、あの問題児は大丈夫か? もしも教師たちにこの事が届くと俺たち――」


 生徒は白夜の事を心配するが、しかし茶髪先輩は言葉を遮って言う。


「大丈夫だろ? 仮にもアイツ総合格闘部のエース君だしよ。仮に死んだとしても自主退学ッテ言えばチャラだろ?」

「さすがに頭良すぎだろ、ヨッ大天才!」

「それもそうだな……」


 茶髪先輩は照れて頭を掻き、一人の生徒が褒めちぎり、もう一人の生徒は納得して黙る。

 そして降りる所が終えると、目の前に大きな扉に気付く。


「な、なんだよ、これ……?」

「見た所扉だな。だけどデカすぎないか?」


 二人の生徒は扉を見てそう呟く。目の前にある扉の大きさは約十メートル、数人の大人を肩車にしてようやく届く位の高さだ。

 巨大な扉に驚いている二人の生徒だが、茶髪先輩は巨大な扉を見ながら開こうとする。

 しかし力を込めてもびくともせず、必死に開けようと言う。


「クソッ……どんだけ重たいだよ、この扉! おい、お前等も開けるのを手伝えよ!」


 茶髪先輩の叫びに二人の生徒は急いで扉を開けよう通す。

 少し押し続けるとようやく動き、このままお室続けてようやく開いた。

 茶髪先輩は息を荒くしながら叫ぶ。


「ぜぇぜぇ……よ、ようやく開いたぞ!」

「ようやくかよ、さっそく中に入ろうぜ!」


 一人の生徒が真っ先に扉の向こうに入り、茶髪先輩ともう一人の生徒も急いで扉の向こうに入る。

 しかし三人は扉の向こうの景色に驚いていた。


「な、なんだよ……これ!?」


 茶髪先輩は目に映る景色に驚きながら指す。

 目の前に映っている景色は石レンガ出てきた空間ではなく、豪勢な西洋城が建てられていた。

 地下迷宮なのに、なぜ豪勢な城が建てられるのは見た事が無い。

 一体どうなっているか分からずにいると、屈強な兵士がやって来る。

 茶髪先輩は兵士に城について尋ねる。


「おい、ここは何だよ? 何でこんな地下に城なんか――」


 茶髪先輩は兵士に聞こうとしたら、兵士は腰から剣を抜刀して構える。


『貴様ら、この城に侵入しようと画策しているのか?』

「は、ハァァ!?」


 茶髪先輩は兵士の言っている事に驚くと、後ろに叫び声が響き、茶髪先輩は振り向くと信じられないものを見る。

 なんとそれは、二人の生徒は槍兵士に刺殺されていたからだ。

 茶髪先輩は二つの死体を見て感情が恐怖に塗られ、息を荒くして否定する。

 そんなことはあり得ない。だってこれは殺人――。

 この状況を理解した茶髪先輩は急いでこの場から去ろうとする。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 茶髪先輩は逃げる。死の恐怖から耐え切れずに逃げ出す。しかし槍兵士が彼の意識を刈り取る。


『逃がすか!』

「アガ――!?」


 茶髪先輩は意識を刈り取られ、兵士が茶髪先輩の襟首をつかみ、城に連行する。

 そして扉は重々しく閉ざされた。





▲▽▲▽▲▽





 俺とイザナは急いで白夜の方に向かい、爆発音を響きまくって急いで向かう。

 するとそこにはとんでもない事になっていた。

 なんとそこはティラニカル・ブラック・フォックスの狐火を避けまくる白夜がいた。

 俺はイザナと共にツッコむ。


「「何だよ、この状況!?」」


 俺はイザナとこの状況にツッコむ。

 何でアクション映画みたいになってんの! これじゃあ撮影みたいになってんじゃん!?

 俺とイザナはこの状況に驚いていると、アルフォンスが前に出て言う。


「おお~さすが格闘選手、攻撃の避け方やカウンターのやり方が中々やるねぇ~」

「呑気に言っている場合かー!」


 俺はアルフォンスが呑気に言っているため、白夜の方に指を指してツッコむ。

 白夜は俺のツッコミが聞こえたか、ティラニカル・ブラック・フォックスから距離を離れて俺の方に向いて言う。


「クロードにイザナ! ちょうどよかった……何とかこいつ倒せれるか?」

「倒せれるって……一体どういうこと?」


 白夜の質問にイザナが聞く。

 どうやらティラニカル・ブラック・フォックスに出会う事は出来たが、狐火や引っ掻きを避ける上に何とかカウンターをするのが必至らしい。

 何やってんだよ……その気持ちは分かるけど、一人で突っ走ったら危険だろ?

 そう思っているとアルフォンスが呆れながら言う。


「少し馬鹿だとは言ったけど、まさかこれぐらいはねぇ~」

「おい、このリスなんか失礼な事言ってねぇか?」


 アルフォンスの子バカに精神が来た白夜は、青筋を浮き出しながらアルフォンスに指す。

 わぁ~言葉は理解しなくても、心で理解している。

 意外な特技がある事に少し驚いていると、アルフォンスが人間になって言う。


「いくらあの心の影シャドウの弱点を狙えるアルターエゴを持っても仕方ないから、僕も手伝うよ」


 アルフォンスはそう言うと、どこから槍を取り出して言う。


「出てきたまえ、ヨハンネス」


 アルフォンスはそう言うと、背後からアルターエゴが出てきた。

 その姿は純白のマントを羽織り、右手には十字架を掲げ、左手には優しくなでる様に向け、顔には白の鉄仮面を装着している。


『私は降霊の魔導士ヨハンネス、目の前にいる影を打ち倒す事を主の名の元に誓いましょう』

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