Digital9.才能ある問題児
「ウ、ウゥ……あれ? ココって自室か?」
俺は少し首をさすりながら周りを見る。そこはいつも通り俺の自室だった。
しかしなぜか首に何かを叩かれたような痛みがある。俺は少し洗面台の鏡で見る、するとそこには蒼い痣があって驚いてしまう。
「「な、なんじゃこりゃー!?」」
俺は驚きのあまり、寮に響くほど叫んでしまう。だがなぜか声が重なったような……?
そう思っていると誰かがドアを強く叩いている。
俺は痣の事が気になるが、急いでいるかもしれないから俺はドアの所に早歩きで向かう。
「はいはい、今開きますよ~ってイザナ!?」
俺は少し落ち着きながら扉を開ける。するとそこには俺と同じ首をさすっているイザナがいた。
俺はどうして首をさすっているのか聞くと、どうやら起きたら出来ていて、心当たりがないから俺に相談してきたと。
う~ん、それ絶対マリアさんの所為がするかも。俺は少しパワードメイドの顔をもい浮かべる。
するとマリアさんは少し首を傾げながら、ピースしている。
いや、何でピース!? それにやっぱりあんたかよ! 通りで首が痛いわけだ。
マリアさんのパワーに呆れていると、一階で寮長が俺とイザナを呼び掛ける。
「おーい、お前達そろそろ降りてこーい!」
寮長は何かを叩きながら俺達を呼んでくる。そう言えばそろそろ朝食の時間だな。
首の痛みは後にするか。そう思いながらイザナと一階に降りる。
一階に降りると食堂に量が多い料理が置かれて、一品に一つのトングを置いてある。
俺らはトングを使って料理を皿に盛り、それを元の場所に戻して椅子に座って食事する。
俺が取ったのは唐揚げとエビフライ、あとはサラダと塩鮭だ。イザナはハンバーグとエビフライ、それにハンバーグやミートソーススパゲティだ。
俺は「少し栄養面に気を付けたほうが良いんじゃないか?」と言おうとした時に怒号が響く。
「何すんだよ! 後輩のくせによぉ!」
「あぁ? 他人が取ったものを奪っているくせに何言ってんすか?」
突然の怒号に驚きながら声の主の方に向く、茶髪の先輩に文句言っているのは目つきの悪い同じ生徒だった。
その姿はこげ茶のロングの上に赤のメッシュで、目つきは吊り目のクリムゾンで、体格は細マッチョである。
その生徒は先輩の脅しに臆さずに言う。
「何で自分から取りにいかないんすか? もしかして目が悪いんすか?」
「こ、こいつ……!」
茶髪の先輩は青筋を込み上げながら、拳を強く握ってギリギリと歯を鳴らす。
あれはかなり怒っているな。他の人がこげ茶の生徒に指しながら小声で話している。
「オイオイ、朝っぱらから喧嘩かよ……できれば別の場所でやってくれよ」
「ホントだよな~。なんでも一年の頃は部活に熱を入れていたのに、廃部になってあんなにグレちまったしな」
生徒が小声で話し合っている間に茶髪の先輩が拳を強く握って、こげ茶の生徒に殴り掛かろうとした時に寮長が止めに入る。
「少し落ち着け。一体何が起きたか知らんが、ここ喧嘩沙汰を起こすな」
「アッ!? こいつが俺の飯を奪ってんのに黙っていろと言うんすか!」
「ケッ……下らねぇ」
こげ茶の生徒は茶髪の先輩の態度に呆れて、サンドイッチを二個とってこの場から去る。
寮長はこげ茶の生徒を呼び止めるが、当の本人はサンドイッチを頬張りながらこの場から去る。
「朝からあまり良くないものを見たな」
「そうだねー」
俺はイザナにさっきの事を言う。しかしイザナは軽く答えながらエビフライにかじりつく。
その後は朝食を食べ終え、そのまま学校に登校した。
そして授業を終えて今は――。
「オラッ!」
俺は片手剣で
小型
経験値も
それと稀に出会う子悪党のラットはレベル1だが十倍の経験値を入手する事ができる。
しかし子悪党のラットを倒せたのは一体だけであった。その理由は物凄く素早くて、ある程度時間が経つと瞬時に逃げられてしまうからだ。
それからずっと時々アルターエゴを召喚しつつ、
俺はリュックサックに入れてある菓子パンとジュースを飲み、ステータスを展開して今の状況を確認する。
【名前】 クロード・
【レベル】 4
【HP】 241
【SP】 78
【攻撃力】 24
【防御力】 28
【魔力】 27
【素早さ】 32
【運】 23
レベル1~4になっただけだが、これならこの層の
それにこの層の探索率が95パーセントだし、100パーセントになったら探索を終えるか。
そう思っていると一人の青年が俺達の方にやって来る。
俺はそれを見て驚く。
「だ、誰か助けてくれ~!」
「ッテ、朝見た茶髪先輩!?」
朝で見た茶髪先輩は大粒の涙を流しながらこっちにやって来る。
茶髪先輩は俺達に気付くと一気にやってきて、俺に抱き着いて頼む。
「た、頼む! ダチと変なドアに入ったら、訳分かんねぇところに飛ばされて、向こうで白夜がダチを守りながら戦ってくれてんだ。だから助けてくれ!」
「わ、分かったから近くにあるセーフルームに言ってくれ!」
俺は少し驚きつつも近くにあるセーフルームを教え、茶髪先輩はセーフルームに向かって走り、俺達は白夜と呼ばれた青年と茶髪先輩の友人を救出する。
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